名匠ボルトン、ついにフォーレ:レクイエムを振る!ベーレンライター新全集版に準拠し、世界初録音を含むフォーレ生誕175年記念リリース。合唱は何とバルタザール=ノイマン!

2016/17年シーズンからスイスの名門バーゼル交響楽団の首席指揮者を務めているアイヴォー・ボルトンが手掛けてきた録音プロジェクト「知られざるフォーレ」の第3弾。これまでの2枚のアルバムもユニークな選曲で高い評価を得ていましたが、今回もタイトルに相応しいフォーレの中でも数少ない5曲の宗教的合唱作品を収録した、フォーレ・ファンには堪えられないほど魅力的な作品が並んでおり、ほとんどの場合、ベーレンライター社のフォーレ新全集版を使用しています。

最初の『バビロンの流れのほとりに』は、紀元前6世紀にネブカドネザルがユダヤ人をバビロンに強制送還したことを題材にした詩編による5部混声合唱のための作品。『ラシーヌの雅歌』は、17世紀フランスの古典劇作家ジャン・ラシーヌの宗教的な詩に基づいた作品で、フォーレが古典宗教音楽学校の卒業作品として作曲をし、作曲部門一等賞を獲得した出世作。最初の版では、オルガンまたはピアノを伴う合唱作品でしたが1905年頃にオーケストラ伴奏版と、ハーモニウムまたはオルガンと弦楽五重奏のためにアレンジを行っています。このアルバムで聞けるのはオーケストラ伴奏版で、1906年1月28日に初演されました。このアレンジの宗教的な熱意としなやかで見事なポリフォニーは、稀な充満感・充足感が得られるものとなっています。『ヴレヴィユの漁師達のミサ』は、後に『小ミサ曲』として改作された作品です。

『ラ・パッション』は、エドモン・アロークールの付随音楽のために依頼され作曲したものですが、1890年3月までに混声合唱と管弦楽のための「前奏曲」のみ完成させることができました。同年4月21日に単独で演奏されましたが、その後1999年まで演奏されなかったものです。2019年にベーレンライター社の新全集版で初めて出版され、当アルバムが世界初録音です。

フォーレの作品の中で最も有名な作品『レクイエム』ではいわゆるフルオーケストラ版(第3稿)。2011年のベーレンライター新全集版は、フルオーケストラ版の初版譜をもとに、当時のパート譜などの資料を綿密に参照した校訂譜で、今後この作品のグローバル・スタンダードとなりえる注目のエディションとなっています。

ソロには、バロックからワーグナーまで幅広いレパートリーと表現力をもつカーチャ・ステューバー、柔らかなで知的な美声のベンヤミン・アップルが起用され、さらに2年前のN響定期で初来日し、清澄かつ明晰な驚愕のハーモニーを聴かせてくれたバルタザール=ノイマン合唱団が合唱を担いっており、これらの作品への敬意が込められた見事な演奏です。
ソニー・ミュージック

発売・販売元 提供資料 （2020/03/19）

This album concludes a trio of releases from the Sinfonieorchester Basel under Ivor Bolton, exploring lesser-known stretches of Gabriel Faures output. The present works mostly fit the secret descriptor. Theres a recently discovered world premiere thats lovely: the Prelude to a set of incidental music for a play called La Passion. The music was long lost, but the play starred Sarah Bernhardt, and the six-minute Prelude is not in any sense of throwaway. The rest of the music is choral, and most of it is similarly obscure. The Messe des pecheurs de Villerville (Mass of the Fishers of Villerville) of 1881 was a collaboration between Faure and his student Andre Messager, written for a benefit concert for a fishermens charitable organization. One can tell which movements came from Faures pen (the Gloria, Sanctus, and Agnus Dei), but its a situation similar to Mozarts Requiem, K. 626, where the dying Mozart had a degree of input into his student Sussmayrs contributions that nobody has even now quite determined for sure. Its a light work, even though its a mass, and Bolton and the Balthasar-Neuman-Chor do well not to put more into it than is there. The early Super flumina Babylonis already has the characteristic Faure flavor. Best of all is that listeners get a work that is decidedly not a secret, the Requiem, Op. 48, and its nicely performed, with fine choral work and distinctive solos from baritone Benjamin Appl and soprano Katja Stuber. This is going to be an essential find for Faure lovers.

Rovi