フォーマット |
CD |
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構成数 |
75 |
国内/輸入 |
輸入 |
パッケージ仕様 |
ボックス |
発売日 |
2020年07月03日 |
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規格品番 |
19439724252 |
レーベル |
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SKU |
194397242522 |
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20世紀の音楽界に大きな足跡を残した巨人、アイザック・スターン(1920-2001)。2020年7月21日はスターンの生誕100年にあたり、この愛すべき芸術家の生誕100年を記念して、まだ78回転SP時代だった1945年からステレオ最盛期の1980年にかけて、アメリカ・コロンビア・レコードに残された全アナログ録音をCD75枚に網羅したボックス・セットを発売いたします。スターンの録音がきちんとした形でリイッシューされるのは、1990年代前半に4つのボックスで発売された「A Life in Music」シリーズ以来ほぼ25年ぶりになり、その意味でも大いに歓迎されるボックスといえましょう。ここには、ウクライナに生まれ、アメリカで育った類まれな一人のヴァイオリニストが、若きヴィルトゥオーゾとして精力的に活動し、やがて世界的な名声を確立し円熟期を迎えるまでの道程が刻み込まれています。
スターンは1920年、当時ポーランド領だったクレメネツに生まれ、8歳で家族とともにサンフランシスコに移住し、それ以後アメリカを本拠にすることになります。母親から音楽の早期教育を受けたスターンは神童としてのその才能を発揮し、移住直後からサンフランシスコ音楽院でヴァイオリンをサンフランシスコ交響楽団のコンサートマスターだったナウム・ブリンダーに学んでいます。1936年、16歳でリサイタル・デビューを果たし、さらにピエール・モントゥー指揮するサンフランシスコ交響楽団と共演。ニューヨーク・デビューは1937年で、第2次大戦後の1948年にはヨーロッパ・デビューを果たしています。
1945年から始まったコロンビア録音~映画のサントラで国民的な存在に
スターンがコロンビアに初めて録音したのは第2次大戦末期の1945年4月のことで、スターンよりも1世代上の亡命ロシア人だったアレクサンダー・ザーキン(1903-1990)とのベートーヴェンのソナタ第7番でした。またスターンは、ワーナーブラザーズが1946年に製作した大ヒット映画「ユーモレスク」のサウンドトラックに参加、フランツ・ワックスマンの指揮・編曲のもとクラシックのヴィルトゥオーゾ・ピースを演奏していました。スターンは映画自体には出演していませんが、主人公ヘレンが愛するヴァイオリニスト、ポールの演奏で聴かせた豊麗かつ鮮やかな技巧は耳だけで接する観客にも大きくアピールし、スターンの名前を広く知らしめることにつながりました。映画で使われた曲を1947年に録音したSP盤は今回初めてCD復刻されるものです(CD3)。ここにはスターンの「ハリウッド・デビュー」のためにワックスマンが書き下ろしたスリル満点のアレンジによる「カルメン幻想曲」が含まれています。小品集はこの後、1952年にザーキン(CD9)、1963年にミルトン・カティムス/コロンビア響(CD32)、1972年にフランク・ブリーフ/コロンビア響とほぼ10年おきに録音しています。
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ソニー・ミュージック
1946年以降のスターンの最初期の録音には、彼のトレードマークともいうべき――そして後年複数の録音を残すことになる――チャイコフスキー、メンデルスゾーン、ヴィエニャフスキ、ブラームスなどの有名協奏曲がすでに含まれており、ニューヨーク・フィルやフィラデルフィア管弦楽団が起用されていることからも、コロンビア・レコードが本腰を入れて取り組んでいることが判ります。戦前からシベリウスの大家として知られていたサー・トーマス・ビーチャム指揮するロイヤル・フィルと共演したシベリウス(1951年、CD6)は、戦前に録音され名盤として知られていたハイフェッツのSP盤に匹敵すると絶賛されました。弦楽器の専門誌「The Strad」では、「1951年の若いスターンの音は、すでに白熱している」とその最初の録音を評価し、1969年のオーマンディ/フィラデルフィア管とのステレオ再録音については、「両端楽章ではさらに集中力を増し、より鋭角的で、躍動感のあるリズムで演奏する一方で、第2楽章の長大な音楽の流れを統御する手つきはより洗練されている。録音に参加した全音楽家が音楽の意味を掘り下げ、文字通り奇跡のバランスが成し遂げられた。今聴いても全く古びていない」と称賛の言葉を連ねています。
20世紀を代表する巨匠指揮者たちとの共演
有名協奏曲以外にも、バッハ、ヴィヴァルディ、モーツァルトからプロコフィエフ、バルトーク、ベルクまで、文字通りヴァイオリニストのレパートリーにおけるほぼ全ての主要ヴァイオリン協奏曲が含まれています。もっとも数多く共演しているのはユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団、レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーニックで、その他の共演指揮者も、ディミトリ・ミトロプーロス(プロコフィエフ第1番、CD22)、ブルーノ・ワルター(ブラームス二重協奏曲、CD27)、ジョージ・セル(モーツァルト第1・3・5番、CD34・46)、ダニエル・バレンボイム(ベートーヴェン、サン=サーンス、CD62・65他)、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チャイコフスキー、CD68)、ズービン・メータ(ブラームス、CD69他)と20世紀の巨匠が並んでいます。ヴィヴァルディの協奏曲では、ロシアの伝説的なヴァイオリニスト、ダヴィッド・オイストラフと共演(CD19・28)。バーンスタインのセレナーデの世界初録音(CD20)とストラヴィンスキーの協奏曲(CD30)は、それぞれ作曲者自身の指揮で録音され、スターンのために作曲されたロックバーグの協奏曲(CD70)はアンドレ・プレヴィン/ピッツバーグ響、同じくペンデレツキ(CD71)はスタニスラフ・スクロヴァチェフスキ/ミネソタ管というコンビで録音されています。
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ソニー・ミュージック
室内楽に対するスターンの並外れた愛と情熱も録音となって結実しています。バッハからプロコフィエフにいたるソナタのレパートリーの多くは、1940年から1977年までスターンと共演を続けた長年のコンビ、ザーキンと録音されています。モーツァルト、フランク、ブラームスやバルトークなどのモノラル録音は今回のボックスで初めてCD化されます。コープランドのソナタは作曲者自身のピアノで録音されています(CD58)。チェロのレナード・ローズ、ピアノのユージン・イストミンと組んだ「スターン・トリオ」では、ベートーヴェン(CD48~51)、メンデルスゾーン(CD72)、シューベルト(CD37・47)、ブラームス(CD42・43)の全曲を含むピアノ三重奏曲の主要レパートリーを制覇しています。アナログ時代の極め付きの名盤とされたジャン=ピエール・ランパルとのモーツァルトのフルート四重奏曲全曲(CD53)も忘れるわけにはいきません。
第2次大戦後に復活したパブロ・カザルスとの共演も
そしてスターン初期の録音の中でも極めて重要な意味合いを持つのが、1950年~1952年にかけてのプラドとペルピニャンにおけるパブロ・カザルスとの伝説的な共演でしょう。カザルスは第2次大戦中にフランコ政権への抗議として演奏活動を停止していましたが、バッハ没後200年記念を名目にヴァイオリニストのアレクサンダー・シュナイダーが開催に尽力したプラド音楽祭に参加、演奏活動への復帰を遂げます。スターンはその歴史的な第1回のプラド音楽祭に参加し、カザルスの指揮でバッハの協奏曲3曲とトリオ・ソナタ1曲を演奏・録音しています(CD4)。翌年にはペルピニャンで音楽祭が開催され、スターンはやはりカザルスの指揮、名手プリムローズのヴィオラでモーツァルトの協奏交響曲を録音(CD8)、さらに1952年のプラド音楽祭では、カザルスのほか、シュナイダー、ミルトン・カティムス、ポール・トルトゥリエ、マイラ・ヘスなどと室内楽の録音を残しています(CD10~13)。このうちブラームスの弦楽五重奏曲第2番とシューマンのピアノ五重奏曲(CD10)の2曲は今回初めてCD化される音源です。
アメリカの音楽界を支えたスターンの姿が刻み込まれた記念碑的なライヴ録音
このボックスには歴史的に重要な演奏会のライヴ録音も含まれています。1967年に起きた第3次中東戦争(六日戦争、六月戦争)の終結(エルサレムの解放)を記念してイスラエルのスコープス山円形競技場で開催された演奏会では、ユダヤ人とアラブ人の平和というだけでなく、世界的な人間の調和が希求され、スターンはバーンスタインの指揮でメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の白熱の演奏を披露しています(この日は、他に「イスラエル国歌」「マーラー:交響曲第2番より最終楽章(ヘブライ語による)」が、バーンスタイン指揮によって行われました。CD44)。
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ソニー・ミュージック
貴重な日本録音も収録
1978年5月の来日時に録音された「日本の調べ」は、スターンの録音の中でも特に日本でよく知られているアルバムと言えるでしょう(CD73)。早川正昭、尺八の山本邦山、日本合奏団らと共演したこのアルバムは、宮崎国際室内音楽祭創設時の重要な存在となって日本との縁を深めることになる晩年のスターンの運命を予期しているかのようです。またこのアルバムは、その後日本のCBSソニー企画によるランパル(1981年)やヨーヨー・マ(1983年)による同工異曲のアルバムの先鞭をつけ、大きなセールスを記録しています。
「ソニー・クラシカル・アルバム・コレクション」のスタンダードを保った永久保存仕様
これまでのソニー・クラシカルのアルバム・コレクション同様、全体はほぼ録音・発売年代順に並べられ、LP以降は基本的に初出LPのカップリングが採用されています。ハードカバーのオールカラー別冊解説書には詳細な録音データを掲載したトラックリスティングのほか、新規ライナーノーツや未発表写真も掲載されています。発売当時のレーベルデザインを再現したレーベル面が印刷された各ディスクは、初出LPのデザインによる紙ジャケットに収納され、リフト・オフ・ボックス(L 25.7 cm x W 13.7 cm x H 13.5 cm)に収容されています。
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生誕100年を迎えた巨匠ヴァイオリニスト、アイザック・スターン(1920-2001)が1945年~1980年にColumbia Recordsに録音したアナログ録音を集成したボックス。全盛期のG線の輝きを軸にした力感あふれる雄大な演奏がたっぷり味わえます。オーマンディ指揮のメンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、シベリウス、バーンスタイン指揮のベルク、ヒンデミット、バルトーク、バーバーといった協奏曲は表現の柄の大きさに魅了されます。一方イストミン、ローズとのトリオやズッカーマンのヴィオラと共演した協奏交響曲ではコクのあるハーモニーが見事です。晩年日本とも縁の深かった世紀の大音楽家を俯瞰できるセット。
intoxicate (C)中川直タワーレコード (vol.147(2020年8月20日発行号)掲載)
NHK-FMで聞いたんでいろんな曲を聴いてみたいなぁ、って言うことで購入しました。音飛びとかないかをチェックするために駆け足で全部とりあえず聴きました。年末年始はじっくり聴こって感じです。