フォーマット |
CD |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
国内 |
パッケージ仕様 |
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発売日 |
2021年01月20日 |
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規格品番 |
PCD-94013 |
レーベル |
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SKU |
4995879940136 |
監修・解説:金澤寿和 (Light Mellow)
日本盤ボーナス・トラック2曲収録
構成数 | 1枚
合計収録時間 | 01:16:59
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1.[CD]
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AOR黄金期の空気感を鮮やかに蘇らせる逸材として確かな信頼を得ているフィンランドの鍵盤奏者が待望の2作目を発表。スティーヴ・ルカサーが紡ぐ艶やかな音色も美味な表題曲、マリリン・スコットやランディ・グッドラムの歌声が沁みるバラード群など今回も参加者の豪華さに笑みが漏れつつ、見事な完成度を誇る楽曲の連続に息を呑むばかり。テクニカルかつセンスのあるキーボード・プレイを披露するインストにも心が躍る。
bounce (C)桑原シロータワーレコード (vol.446(2021年1月25日発行号)掲載)
迂闊にも、私は彼の存在を見逃していた。ただ前作のタイトル曲、ウォーキン・オン・エアは、元シカゴのボーカリスト、ジェイソン・シェフの新作にも収録されており、聴いていて気に入っていた。金澤寿和氏の解説によれば、熱心なAORファンに、彼の才能は早くから注目されていたというから、本作は文字通り待望の、そして渾身のアルバムであろう。これまで20回は聴いただろう、才気あふれるキーボーディストであることは疑いない。ただ批判を恐れずに言えば、どの曲もデジャヴー、既視感があることは否めない。「うーん、このメロディやフレーズ、どこかで聞いたことがあるな」と感じること頻りである。フュージョンやAOR、スムーズ・ジャズの人気アーティスト達の、あのメロディに似たものが、次々と登場する。継ぎ接ぎというのではない。彼らをリスペクトしているが故に、自分なりに消化したいという意気込みの表れからなのだろう。だから殊更、否定すべきではないのだが、やはり彼の豊かな才能を考慮すれば、そこは厳しく指摘しておきたい。前作を試聴サイトで確認したが、楽曲の出来は雲泥の差で本作の方が良い。つまり、彼も充分、今回はオリジナリティを意識していたはずだ。その点では本作は率直に評価したい。相当な準備を費やして本作が制作されたことは疑いなく、研究熱心なアーティストであることが窺える。聴きどころは、m1とm15だと断言できる。大方の曲はAOR系の佳品だから、とても心地良いが、デジャヴーは否めない。それを割引くと、この2曲はオリジナリティを感じさせる。クインシー・ジョーンズを意識しつつも独自のサウンドを展開している。さらにプログレッシブロックの細かく複雑なマイナーメロディが好きなのだろう。それを下敷きにした独創的な展開も感じさせる。どちらも大いに磨いて欲しい。その苦闘から本流のAOR路線でもオリジナルな楽曲が生まれるに違いない。