前作『Get Lifted』からの約2年間、膨大な量の客演やら多方面への露出などで常に話題の的になっていたとはいえ、待望の新作であることに変わりはないだろう。カニエ・ウェストやウィル・アイ・アムら馴染みのプロデューサーの助力も得ながら、これまでの目覚ましい活動が大きく実を結んだ今作では、何倍もデカくなった彼に会える。ピアノの前から立ち上がって埃っぽくロックしてみたり、オールド・ソウルや古き良き時代のショウの薫り、アタックの強いビートに印象深いメロディー、ウィットに満ちた詞世界、そしてエモーショナルなスロウでの普遍的な美しさ……歌唱表現の成長も含め、前作以上にヴァラエティーに富んだ楽曲群には良い意味で裏切られ、さらに濃厚になったジョン節の堂々たる存在感に惚れ直す!　傑作だった『Get Lifted』を凌ぐクォリティーでネクスト・ステップを踏み出した彼に、またも虜にさせられること必至だ。
bounce (C)佐藤 ともえ