リヒテルとのデュオで世界の注目を集め、今もなお本国ロシア、欧州で多くの音楽家から尊敬を集める レオンスカヤ。封印していたモーツァルトのソナタを、妥協のない演奏で全録音!

1945年ジョージア(グルジア)のトビリシ生まれ。モスクワ音楽院在学中にロン=ティボー国際コンクール、エリーザベト王妃国際音楽コンクール等で入賞。スヴャトスラフ・リヒテルに非凡な才能を認められ、多くの共演を通して多大な影響を受けました。1978年にソ連からオーストリアのウィーンに亡命。ソリストとして、ロンドン響、ベルリン・フィル、バイエルン放送響他と共演。ウィーン・コンツェルトハウスの名誉会員であり、2006年にはオーストリア文化への貢献に対し最高位の勲章である科学・芸術名誉十字章勲一等が贈られています。15年ジョージアのトビリシから芸術家に対して贈られる最高の栄誉である「芸術の司祭」賞が授与されています。
彼女は自分自身と音楽に対して誠実であろうとし、またそうすることによって、オイストラフ、リヒテル、ギレリス等、ソビエト時代の偉大なロシア音楽家の志を継いでおり、彼らは困難な政治状況にもかかわらず、音楽の真髄から決して外れることがなかったように、つねに自分を高め、自分自身の欲求に、情熱に、さらに知性に駆り立てられ、彼女は偉大な巨匠のみが到達し得た高みへと目指しています。
これまでレオンスカヤは、1993年にリヒテルと共演録音したグリーグによる2台ピアノ版「モーツァルト:ピアノ・ソナタ」以外に、モーツァルトの録音は行っていません。これは師であるリヒテルのモーツァルト演奏の厳しい教えによりあえて避けていたようで、あえて壮大なロマンチックなレパートリー、ベートーベン、シューベルト、ブラームス、チャイコフスキー、ショスタコーヴィチの演奏を中心としていました。
しかし、2018-2019年に、さらに高次元の演奏を目指したのがモーツァルトであり、ウィグモア・ホールでのコンサートの演奏は、「その背後にある生涯の知恵と経験を持つ万華鏡のようなモーツァルト」「聴衆の想像力を、ファンタジーの渦巻きで想起させる魅力的な空間」と絶賛されています。初期のフォルテピアノのために書かれた曲を、現代ピアノで演奏することほど難しいことはありませんが、レオンスカヤの絶妙なる繊細で糸のようなタッチ。そしてディテールを失うことなく完璧に純粋な音を保つためのペダリングは、驚異的な明快さ、心を打つ憂鬱を吹き込みながら絹のようなメロディが、様々な調性でコントラストを変えながら奏でられていきます。もちろんそこには一切の妥協はありません。
ワーナーミュージック・ジャパン

発売・販売元 提供資料 （2021/12/03）

This survey of Mozarts complete piano sonatas marks Elisabeth Leonskajas return to the Warner Classics label. A former pupil and duet partner of the great Sviatoslav Richter, Leonskaja has earned acclaim and accolades during her esteemed career for her technical ability and imaginative interpretations. Though Leonskaja, with Richter, previously recorded Mozart, she is best known for repertoire from the Romantic and Post-Romantic periods (with Chopin and Schubert making up a considerable amount of her recording catalog); these present readings display her aptitude in those later eras. The Mozart piano sonatas date from the mid-1770s until the late 1780s, and the instruments that Mozart played on and wrote for did not have much in the way of a damper pedal. If they had a pedal (or knee lever) at all, it would not sustain as long as those used today. Leonskaja, playing on a modern Steinway, does not overdo the pedal work, but these performances do not hew too close to the historical performance movement. She delivers on the playful aspects of the sonatas; listen to the third movement Allegro from the Sonata No. 1 in C major, K. 279, for a good example. In the more lyrical sections, listeners may hear her playing trending closer to Romantic-period pianism. Though her dexterity may not be quite what it was earlier in her life, her technique is still impressive. With fine engineering work from the Sendesaal Bremen, recorded over just nine days in early 2021, Leonskaja accomplished quite a feat and proves she has earned her status among pianists.

Rovi