シンセ、ドラムマシン、エレクトリックギターを多用した自らの節目を"祝福"の音で祝う記念すべきビビオによる10thアルバムが完成。
様々な音楽スタイルを通して、唯一無二のサウンドで聴く者を魅了するビビオ (Bibio) が、記念すべき10作目のアルバム『BIB10』を〈WARP RECORDS〉よりリリース。「アルバムとアルバムの間にあるコントラストが好きなんだ。
一つのアルバムを完成させると次のアルバムでは何か違うことをやりたくなる」とビビオことスティーヴン・ウィルキンソンは語る。
これまでのアルバム作品の制作を通して、彼はエレクトロニカ、アンビエント、フォーク、ポップ、インディー、ファンク、ソウル、その他彼が模索しようと決めたあらゆるサウンドを実に優雅に飛び回ってみせている。
2019年のアルバム『Ribbons』は、彼自身が「サイケ・フォーク」の雰囲気を纏った「オーガニックでウッディなサウンド」と語る作品だが、今作では制作初期の段階からシンセ、ドラムマシン、エレクトリックギターを多用したサウンドにしようと決めていたという。
その結果、アルバムはヘビィなグルーヴや催眠術のように渦巻くギターのループ、軽快なファンクビート、絹のようになめらかな音色のディスコ、質感のあるソウルの探求という唯一無二な、ビビオ以外何者でも出せないサウンドを完成させた。
彼の織りなす音色は豊かで深みがあり、共鳴し、放射状に広がる温かみを周囲に呼び起こす。このことが明確に表れている楽曲のひとつにオープニングトラックの「Off Goes the Light」がある。
この曲ではウィルキンソンの卓越したヴォーカルが連動するギターのメロディと没入感のあるシンセのサウンドスケープに美しく融合している。一方「Potion」では、プリンスを意識していて、よりハイレベルで斬新なヴォーカル領域を押し広げている(セルフタイトルであるセカンド・アルバムはとりわけプリンスのアルバムから影響を受けている)。
つまり音域だけでなく、全体的なフィーリングを介した未来的なエレクトロニックファンクが広がっているのだ。このアルバムは、一聴するとビビオの作品群の中でも、最もエレクトロニックな作品のように感じられるが、その基盤となる部分にはしっかりとギターの存在を感じられる。
発売・販売元 提供資料(2022/09/09)
作品ごとに色を変えて表現を突き詰めてきた彼がついに10枚目のアルバムに到達。前作のフォーク情緒からやや揺り戻し、マーヴィン・ゲイ"Sexual Healing"とプリンス"Love 2 The 9's"を合わせたような絶品のスロウ"Potion"などでは自身のヴォーカルを大フィーチャー。久々にオリヴィエ・セントルイスを迎えたディスコ・グルーヴの"S.O.L."、ボッサ調の"Cinnamon Cinematic"など、心地良いギターの音色も含めてよく歌ってます!
bounce (C)轟ひろみ
タワーレコード(vol.467(2022年10月25日発行号)掲載)