ゲストを迎えバンド主導のサウンドをフィーチャーしたソロとしては5年振り、自身4枚目のアルバム!
『What Do We Do Now』は、J Mascisが1996年以来レコーディングしたソロ・アルバムだ。これは明らかにあまり積極的なリリース・スケジュールではないが、ライヴ・アルバム、ゲスト・スポット、彼の他の様々なバンド(Dinosaur Jr.、The Fog、Heavy Blanket、Witch、Sweet Apple他)での活動などを考慮すると、Lou Reedの言葉を借りれば、「Jの1週間はあなたの1年に勝る」ということになる。『What Do We Do Now』はパンデミックの衰退期にまとまり始めた。自身のスタジオ、Bisquiteenを活用し、Jはアコースティック・ギターで、Dinosaur Jr.のために作るのとは違ったダイナミズムを持つ一連の曲を書き始めた。「バンドのために曲を書くときは、LouやMurphに合いそうなことをいつも考えている。ソロの時は、リード・ギターでさえも、アコースティック・ギター1本で何ができるかをもっと考えている。もちろん今回は、リズム・パートはアコースティックなままだけど、フル・ドラムとエレクトリック・リードを加えた。いつもは、ソロの部分は自分で弾けるようにするためにもっとシンプルにするんだけど、どうしてもドラムを入れたかった。それが始まったら、あとはすべて上手くいった。だから結局、バンド・アルバムに近いサウンドになった。なぜそうしたのかはわからないけど、そうなった」と彼は語る。また、今回は2人のゲスト・ミュージシャンが参加している。マサチューセッツ州西部のKen Mauri(B52sのメンバー)が数曲でピアノをプレイ。もう一人はカナダのサイケ/フォーク/エクスペリメンタル・ミュージシャン、Matthew "Doc" Dunnで、JはMatt Valentineを通じてDunnと知り合った。『What Do We Do Now』は、Jがこれまでに書いたソロの中で最も素晴らしい曲のセットを持ち、その見せ方も完璧だ。このアルバムでツアーをするのかと尋ねられたJによると、週末に何度かツアーをする予定だが、バンドを組むことはないとのこと。これらの曲はソロでもアコースティックでも素晴らしいサウンドになると確信できるが、アルバムのアレンジは本当に素晴らしく、音作りに対するMascisの即座に認識できるアプローチに、クールで異なる要素を加えている。
発売・販売元 提供資料(2023/11/28)
間にダイナソーJrの『Sweep It Into Space』を挟んで、5年ぶりにリリースする4枚目のソロ作。アコースティック・ギターとケン・マイウリのピアノをアンサンブルの基本としながら、これまで以上にバンド・サウンドを求めている。Jは全曲でフレーズを泣かせながら、エレクトリック・ギターで轟音のソロを閃かせているから、〈Jのソロ作はちょっと……〉というダイナソー・ファンも楽しめるはずだ。独特の鼻声で歌い上げる、たそがれた歌の味わい深さは言うまでもない。マシュー・ドック・ダンのペダル・スティールと掛け合う"You Don't Understand Me"ではスライド・ギターも鳴る。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.482(2024年1月25日発行号)掲載)