アルティメイト・サウンド・シリーズ第2弾。さくやひめ デビュー!心に寄り添う、魂の歌と響き。ソプラノ歌手奥脇泉とクラシックギターの河野智美のユニット"さくやひめ"のデビューアルバムです。"さくやひめ"という名は木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)という日本神話の神様から採られています。火の中でも出産したという逸話から、困難な状況でも強く美しく生きる女性像を標榜しています。古今東西、永く歌い継がれ弾き継がれてきた世界の名曲、そしていにしえの古楽まで珠玉の全15曲を"さくやひめ"の奏でる癒しの響きでお楽しみ下さい。 (C)RS
JMD(2025/03/01)
【アルティメイト・サウンド・シリーズ第2弾 さくやひめ デビュー!心に寄り添う、魂の歌と響き】
ソプラノ歌手奥脇泉とクラシックギターの河野智美のユニット「さくやひめ」のデビューアルバムです。「さくやひめ」という名は木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)という日本神話の神様から採られています。火の中でも出産したという逸話から、困難な状況でも強く美しく生きる女性像を標榜しています。古今東西、永く歌い継がれ弾き継がれてきた世界の名曲、そしていにしえの古楽まで珠玉の全15曲を「さくやひめ」の奏でる癒しの響きでお楽しみ下さい。
■さくやひめの魅力について
クラシック音楽の声楽家によるリサイタルというと、ピアノ伴奏で歌うイメージが強いかもしれない。だがそれはピアノが改良を繰り返しながら普及していく18世紀半ば以降の話。それ以前、このアルバムでいえばモンテヴェルディ、カッチーニ、リュリが活躍したバロック時代は、リュートやビウエラ等といったギターの親族にあたる楽器が歌を支えることも多かった。
そうしたバロック時代などを当時の演奏スタイルに基づいて演奏する"古楽"のスペシャリストである鈴木美登里に師事しながらも、"現代"のポップスまで自然に歌いこなせるのがソプラノ歌手の奥脇泉だ。言葉を大事にしながらも語りに寄りすぎず、長いフレーズで旋律の美しさも伝えることが出来るのが彼女の美徳である。驚かされるのは古楽で学んだ自然な音楽作りを拡張してポップスを歌う際、原曲のスタイルと自らの歌唱スタイルのあいだで、どちらの良さも活かせる絶妙なポイントを見出してしまう抜群のセンスだ。
古楽から現代のポップスまで、実は数百年にわたる異なる様式の音楽にもかかわらず、そうは思わずに聴けてしまうのはギター奏者の河野智美に負うところも多い。ギターならではの粒立ちの良さ、ひとつひとつの音の表現力の豊かさもありながら、全体としてはリュートのような純度の高い響きを保っているからこそ、奥脇の音楽性を更に引き立てる。そして細部まで瑕疵のない驚くほど丁寧な演奏でありながら、停滞・弛緩することも過度に音楽をドラマティックにし過ぎることもなく、徹底して誠実に描き出す。
私たち聴き手が流し聞きすることなく、集中して耳をそばだてると、余計なものを削ぎ落としているからこその楽曲の本質、音楽の本質が聴こえてくる。純粋無垢ではあっても、単なる癒やしではないのだ。調味料やスパイスは最低限で、素材からじっくりと引き出した味わいを堪能できるアルバムだ。 小室敬幸
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ナクソス・ジャパン
発売・販売元 提供資料(2025/02/28)
■ディスクAとディスクBについて
このアルバムでは、全く同じマイク・セッティング及び全く同じ採用テイクによる同一レコーディングのマスターによる2枚組仕様となっています。ディスクA、ディスクB双方をお聴き頂ければ、ヴォーカルやギターの響き、奥行きやソノリティーにその違いを感じて頂けるのではないでしょうか。
ディスクAとディスクBの違いは、レコーディング後のミキシング(ミックスダウン=各マイクのバランスや音質を調整すること)の違いのみです。レコーディング現場のマイク・セッティングや採用した演奏テイクは全て同一です。ここではあえてどのようなミキシングを行ったのかは割愛させて頂きますので、リスナーの皆様にはどちらの音がお好みか比較して頂けますと幸いです。
どちらが良い悪いということではなく、この違いは概ね好みの範疇になるのではないかと思います。実際このアルバムの制作現場では、ヴォーカルの奥脇泉さんとクラシックギターの河野智美さんの間で意見が真っ二つに割れ、お二人共こだわりが強いためこのような異例の仕様となった次第です。
かなりマニアックな企画になりプレスコストもかかるためレーベルを預かる者としてはシビアな判断になりましたが、アルティメイト・サウンド・シリーズは特に音にこだわりのあるリスナーやオーディオ・ファンの皆様に向けたシリーズなので、このような同一レコーディングで2つの異なるミキシング・アプローチを比較してお聴き頂くのも、シリーズならではの醍醐味かと思い企画致しました。
ここでは、片方はクラシック音楽で採用されることの多いミキシング・アプローチ、もう片方はポピュラー音楽で採用されることの多いミキシング・アプローチであるということだけ申し上げておきます。ディスクAもディスクBも同じ山の頂きを目指しますが、片方は東の麓からもう片方は西の麓からアプローチしています。そしてそのアプローチは全く異なる手法であり、少しだけマイクのレベルを変えたというような違いではなく極めてドラスティックに変えています。少しだけ種明かしをすると、片方ではメインで使っているマイクをもう片方では全く使っていないのですが、それでもなおかつ同じ山の頂き(なるべく同じ音質になるように)を目指すようなミキシングを行っています。
「音」は人それぞれ好みが千差万別であり、それが決して良い悪いではなく、好きかそうでないかということなのではないでしょうか。だからこそ「音」には絶対評価はなく趣味性がとても深いのだと思います。このアルバムではその趣味性について、いつもより少しだけ深く感じて頂ければ制作者としては望外の喜びです。 アールアンフィニ・レーベル代表 武藤敏樹
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ナクソス・ジャパン
発売・販売元 提供資料(2025/02/28)