1月25日は20世紀の巨匠指揮者フルトヴェングラー(1886~1954)の誕生日です
1月25日は、20世紀を代表するドイツの巨匠指揮者、作曲家フルトヴェングラー(1886~1954)の誕生日です。1954年11月30日の死去より約70年を経過しながら、録音により今なお新しいファンを生み続けている不滅の指揮者のディスクを特集いたします。
フルトヴェングラー~ドイツ・グラモフォン&デッカ録音全集(34CD+1DVD)
2019年9月発売の最新アンソロジー
20世紀を代表する伝説の指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)の戦前の最初期録音から戦時中のライヴ録音、戦後のLPレコードへの録音まで、年代順にまとめられたBOXです。この独創的で才気あふれる指揮者の芸術はロマン派の理想主義の伝統に深く根付き、ここではオーストリア=ドイツのレパートリーの原点が示されています。フルトヴェングラー自身が作曲した交響曲第2番も収録され、作曲家としての顔も披露しています。DVDは1954年ザルツブルク音楽祭で収録されたモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』です。魅力的な当時の名歌手たちが出演しています。この数ヵ月後に亡くなったフルトヴェングラーの指揮姿を見られる貴重な映像です。76ページのブックレットには、ノーマン・レブレヒトによるフルトヴェングラーの伝記など充実したエッセーや貴重な写真資料も掲載されています。
(タワーレコード)
『フルトヴェングラー 帝国放送局(RRG)アーカイヴ 1939-45』(22 SACD Hybrid+DVD)
2018年12月に発売され大きな話題を呼んだBOX!
戦時中(1939~45年)にドイツ帝国放送が収録したベルリン・フィルとフルトヴェングラーによる放送録音を集成したエディション。嬉しいことに、初出音源も収録!(ラヴェル:ダフニスとクロエ第1組曲(抜粋)、シューベルト:交響曲「未完成」第2楽章)ドイツ帝国放送のテープ音源としては、今現在の最高技術をもってサンプリング(28bit/96kHz)を行い、ベルリン・フィルが自ら手掛ける戦時のフルトヴェングラー最高音質の登場。当時の演奏を再現できる最良の音源を選択、現存するドイツ帝国放送テープをすべて網羅し、オリジナル・テープを基本に、最高の条件でセット化しています。22枚組SACD ハイブリット盤です。!
(タワーレコード)
スウェーデン放送音源提供!「フルトヴェングラー&ストックホルム・フィル、スウェーデン放送全録音集」(4枚組)
スウェーデン放送アーカイヴの正規音源使用!
フルトヴェングラーはスウェーデン、ストックホルムを頻繁に訪れました。ある時はウィーン・フィルを率いて、そして現地ストックホルム・フィルに客演しました。この度、フルトヴェングラー+ストックホルム・フィル共演の遺されている全録音がスウェーデン放送アーカイヴによる音源提供+ストックホルム・フィルの承認を得ての初発売となりました。フルトヴェングラーの代名詞ともいえる「第九」は、1943年12月という難しい時期に単身ストックホルムに赴いた演奏。狂乱のような合唱には何か特別な感情が籠めらているかのようです。ベートーヴェン・プロ、交響曲第8番、第7番は戦後の客演。元気なフルトヴェングラーらしい自由自在な演奏で、ストックホルム・フィルに秘伝を伝えるかのような見事な演奏。「ドイツ・レクイエム」は巨匠唯一の完全全曲録音であり、崇高かつ燃え上がる情熱が同居した奇跡的な名演として知られています。
(東武ランドシステム)
ターラ原盤によるフルトヴェングラー名演集―6CD&4CD企画
・戦時のフルトヴェングラー~ターラ編~ KKC-4125/30
・フルトヴェングラー/定期演奏会のベートーヴェン KKC-4150/5
・フルトヴェングラー、4 種の「第九」(ターラ編) KKC-4156/9
・フルトヴェングラー&ウィーン・フィル/伝説のコンサート(1950-53) KKC-4173/8
・フルトヴェングラー&ベルリン・フィル/伝説のコンサート(1949-54) KKC-4182/7
・フルトヴェングラー/伝説のコンサート(1947-53) KKC-4189/94
音源はダブっておりません。歴史的音源の良好な音質での発掘に定評のあるターラ原盤によるフルトヴェングラー名演遺産集(全34枚)です。ライヴの「一回性」に賭けた巨匠の指揮者としての本領が発揮された名演集。まだお持ちでない方への最初のオススメは「定期演奏会のベートーヴェン」と「ベルリン・フィル/伝説のコンサート」です!
(タワーレコード)
※「フルトヴェングラー超絶ライヴ!」UHQCD(高品質CD)全14タイトル特集ページはこちら>>>
※定評あるGrand Slamレーベルの復刻CDはこちら>>>
※フルトヴェングラー関連書籍特集ページはこちら>>>
※ページ下部の「関連商品」にはフルトヴェングラーの現在入手可能な映像作品、SACDシングルレイヤー盤、SACDハイブリッド盤をご紹介しています。併せてご覧いただければ幸いです。
フルトヴェングラー年譜
1886年(明治19) 0歳
1月25日、ベルリンにて誕生。父は高名な考古学者アドルフ・フルトヴェングラー(1853~1907)。
1906年(明治39) 20歳
2月19日、カイム管弦楽団(現在のミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)を指揮してデビュー。ベートーヴェンの“献堂式”序曲とブルックナーの交響曲第9番を演奏。
1922年(大正11) 36歳
1月23日に急逝したアルトゥール・ニキシュ(1855~1922)の後任として、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1928年まで)およびベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任。
1926年(大正15) 40歳
10月16日、初録音。曲目はウェーバーの歌劇“魔弾の射手”序曲。
【CD】
ウェーバー:歌劇“魔弾の射手”序曲
ベートーヴェン:交響曲第5番“運命”、ほか
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル(1926年録音)
※1926~33年の巨匠の初期録音を収録
1927年(昭和2) 41歳
フェリックス・ワインガルトナー(1863~1942)の後継としてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任(1930年まで)。
1933年(昭和8) 47歳
9月15日、プロイセン枢密顧問官に就任。11月15日には帝国音楽院副総裁に就任。
1934年(昭和9) 48歳
11月25日、ドイッチェ・アルゲマイネ・ツァイトゥンク日曜版に「ヒンデミット事件」と題した論文を投稿。ヒンデミットの歌劇“画家マチス”を上演禁止したナチスと対立。12月5日、プロイセン枢密顧問官および帝国音楽院副総裁を辞任。
1935年3月に両者和解し、指揮台に復帰する。
1937年(昭和12) 51歳
10月8日と11月3日、戦前最高の名盤と謳われたベートーヴェンの交響曲第5番を録音。
【CD】
ベートーヴェン:交響曲第5番“運命”
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル(1937年録音)
シューベルト:交響曲第8番“未完成”
フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル(1950年録音)
※「玉音放送」を復刻した新忠篤氏による復刻盤
1942年(昭和17) 56歳
4月19日、ヒトラー生誕前夜祭でベートーヴェンの交響曲第9番を指揮。
【CD】
ベートーヴェン:交響曲第9番(1942年録音)
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル
※当日の全曲ライヴ録音
【当日の映像】第4楽章終結部 1942年4月19日収録
1944年(昭和19) 58歳
12月、戦災に苦しむ同胞のためウィーン、ムジークフェラインザールにてベートーヴェンの交響曲第3番“英雄(エロイカ)”を放送用に録音。1953年にアメリカ、ウラニア社がレコード化し「ウラニアのエロイカ」として有名な録音となる。
【CD】
ベートーヴェン:交響曲第3番“英雄”
フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル(1944年録音)
※ウラニア盤のジャケット・デザインを復刻したCD
1945年(昭和20) 59歳
1月28日、ウィーン・フィル定期演奏会へ戦前の最後の出演。1月30日にウィーンを発ちスイスへ亡命。第2次大戦終結後、連合軍から戦時中のナチ協力を疑われ、演奏禁止処分を受ける。
【CD】
フランク:交響曲ニ短調
ブラームス:交響曲第2番
フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル
※当日の鬼気迫る演奏を収めたライヴ録音
1947年(昭和22) 61歳
5月25日、「非ナチ化」裁判の無罪判決をうけ、戦後初めてベルリン・フィルの指揮台に立つ。曲目はベートーヴェンの交響曲第5番“運命”、同第6番“田園”ほか。
【CD】
ベートーヴェン:交響曲第5番“運命”、同第6番“田園”
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル
※RIAS放送が収録した当日のライヴ録音。
1948年(昭和23) 62歳
10月24日、ベルリンでブラームスの交響曲第4番を指揮。実況録音が巨匠没後の1959年にLP化され、同曲最高の名演の一つと言われるようになる。
【CD】
ブラームス:交響曲第4番(1948年録音)
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル
※当日の全曲ライヴ録音
【参考映像】同年11月3日、ロンドンでのリハーサル風景。第4楽章終結部分
1951年(昭和26) 65歳
7月29日、バイロイト音楽祭再開記念演奏会でベートーヴェンの交響曲第9番を指揮(7月29日)。このときの録音は彼の没後にLP発売され「バイロイトの第9」として有名になる。
【SACDハイブリッド】
ベートーヴェン:交響曲第9番
フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団、ほか
※聴衆の喝采や指揮台に歩む足音の入った臨場感豊かなライヴ録音
【参考映像】「バイロイトの第9」の1か月後、8月31日、ザルツブルク音楽祭でのベートーヴェン第9
1952年(昭和27) 66歳
11月26、27日、EMIへベートーヴェンの交響曲第3番“英雄”をセッション録音。同曲録音集、また巨匠のセッション録音中でも屈指の名盤との評価を得る。
【SACDハイブリッド】
ベートーヴェン:交響曲第3番
フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルハーモー管弦楽団
※並行して録音されたベートーヴェン:交響曲第1番をカップリング
1953年(昭和28) 67歳
5月14日、DGへシューマンの交響曲第4番をセッション録音。巨匠の最も優れたレコーディングとして知られるもので、音楽之友社刊『新編名曲名盤300』でもこの曲のベスト・ワンとして推されている名盤。
【CD】
シューマン:交響曲第4番
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモー管弦楽団
※DGのLPレコードからの復刻
1954年(昭和29) 68歳
11月30日、ドイツ、バーデン=バーデンにて肺炎により死去。
【SACDハイブリッド】
ベートーヴェン:交響曲第9番
フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団、ほか
※同年8月22日、生前最後の「第9」演奏、スイス放送所蔵テープからの復刻