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ポリス解散後のスチュワート、アンディー、スティング――オトコの履歴書

スチュワート

レイ・レマをフィーチャーした『The Rhythmatist』を85年にリリースしたスチュワートだが、いまでは映画音楽作家という印象が強いかもしれない。なにしろTV音楽まで含めると、その数すでに50作以上。88年のソロ・アルバム『The Equalizer & Other Cliff Hangers』もTVシリーズの音楽をもとにしたものだ。そうしたなかで、スタンリー・クラークらと結成したアニマル・ロジックの『Animal Logic』(89年)、『Animal Logic II』(90年)は、デボラ・ホランドのヴォーカルをフィーチャーした歌ものアルバムになっている。スチュワートのドラムも、手数は多いが意外とシンプルに聞こえ、清楚なヴォーカルを盛り立てる。そして、久々に大きな話題となるのが、フィッシュのトレイ・アナスタシオ、プライマスのレス・クレイプールと結成したオイスターヘッド。先ごろリリースされた『The Grand Pecking Order』は繊細かつ大胆なリズムがアメーバ状に広がる充実作だ。コープランドのつんつくドラムをいまふたたび堪能できる。 

アンディー

ポリス在籍中にもロバート・フリップとの共作『I Advance Masked』をリリースしていたアンディーは、グループ解散後、積極的にソロ活動を進めていった。86年の初ソロ作『XYZ』は、意外にも彼の歌を主軸にしてポリス流のサウンドを聴かせるアルバムだが、その後はレーベルをプライヴェート・ミュージックに移籍し、独特のウネリをもつギター・サウンドにシフトしていく。音楽性の幅が大きく拡がったのは、インド系女性シンガーのナジマをフィーチャーした“Piya Tose”などを収録した『The Golden Wire』(89年)あたりから。と同時に、ジャズ趣味全開のアルバムも作っていて、『Charming Snakes』(90年)ではビル・エヴァンス、ハービー・ハンコック、ブライアン・オーガーなどをフィーチャー、スティングがヴォーカルの“'Round Midnight”を含む『Green Chimneys』(99年)はセロニアス・モンク作品集、そして昨年の『Peggy's Blue Skylight』はチャーリー・ミンガス集だが、こちらにはデボラ・ハリーや、なんとQティップも参加。 

スティング

ポリスの活動休止後、もっとも精力的な活動をみせたのは、やはりスティングだった。『The Dream Of The Blue Turtles』『Bring On The Night』『Nothing Like The Sun』とソロ作を連発しながら、フィル・コリンズ、ダイアー・ストレイツから、マイルス・デイヴィスやルベーン・ブラデスのアルバムなど、80年代後半だけでも多数のセッション参加をこなした。かと思えば、アマゾンの保護活動に積極的に関わるなど、その活動ぶりは幅広い。そんななかで、ひとつの到達点といえるのは、父親の死の影響が色濃く表われている91年の『The Soul Cages』。さらに近年で画期的だったといえるのは、共演したシェブ・マミがいきなりコブシを回しながらアラビア語で歌いはじめる“Desert Rose”(『Brand New Day』収録曲)が、アメリカでもヒットしたことだ。平和への祈りを込めたこの曲が問いかける意味は、いまこそ大きい。時代を超える名曲だ。 

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2001年11月22日 18:00

更新: 2003年03月07日 18:39

ソース: 『bounce』 226号(2001/10/25)

文/高橋 道彦

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