耳で聴いたピープル・トゥリー
ポリスをめぐって、音楽の果実……ここに、一本のトゥリーが生まれた
ALANIS MORISSETTE
『MTV Unplugged』Maverick/1999
MTVアンプラグド・ライヴで“King Of Pain”を披露したアラニス。スティングが青く輝く炎なら、アラニスはジャケそのままに、真っ赤に燃える、太陽だから。でもどちらもがエモーショナルな歌い手であると同時に、完璧に感情をコントロールしているようなクール・ビューティー。デュエットを聴いてみたかったり。(村尾)
GEORGE MICHAEL
『Songs From The Last Century』Virgin/1999
シー&ケイクにブラジリアン・テイストを持ち込んだ張本人。海のさざなみを思わせる繊細なタッチでつまびかれるギター。そこにすべりこむヴォーカル、そのソフィスティケイトされた雰囲気はまさにヴァーリと共通のもの。ブラジル音楽への愛をつつましやかに告白したこのアルバムは、未来の夏の想い出。(出嶌)
MAXI PRIEST
『Man With The Fun』Virgin/1996
〈ハワイ〉というアルバムはあっても〈ブラジル〉ってタイトルはまだない彼らだけれど、もちろん憧れはある。お得意のストリングス・アレンジ~ハーモニーは、夢のカリフォルニアから船出して、リオへと辿り着くまどろみのグルーヴ。〈雪〉のなかに隠されたクールさ、その柔らかな感触は、まさしくボッサ。(出嶌)
大沢誉志幸
『CONFUSION』エピック/1984
ポリス最大のヒット“Every Breath You Take”(見つめていたい)の影響で、直後、多くのフォロワー・ソングが生まれた……ここ日本でも。その曲――“そして僕は途方に暮れる”も、やはり、大沢自身にとって最大のヒットに。大沢は過去にホール&オーツ“Private Eyes”もフォロワーしてたっけ。
TICA
『A Night at Cafe Apre-midi』V2/2001
アラニスやジョージ・マイケルがカヴァーするということは、ポリスの楽曲、強いてはメロディー部分がリスペクトされているという証拠。それは、欧米のアーティストだけではなく、日本でも。TICAがポリスをカヴァーしてると聞いたとき、まさか“De Do Do Do, De Da Da Da”……だとは思わなかったけど。
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