耳で聴いたピープル・トゥリー(3)
SMITHS
『The World Won't ListenWea/1986
〈パンク〉をあくまで出発点として、ひたすらシンプルなサウンドに、艶やかなメロディーを込めていったスミスとポリス。演奏力にこそ差はあるものの、“Ask”などで聴くことができるジョニー・マーの浮遊感のあるギターには、アンディーの匂いもちらほらと。ねっとりしたヴォーカルをうまく引き立たせる〈軽み〉がここに。(村尾)
PUFF DADDY & THE FAMILY
『No Way Out』Bad Boy/1997
策士が盟友の死に捧げたのは、感情を圧し殺した“Every Breath You Take”のループ。そこから生まれた“I'll Be Missing You”は一級品のメロドラマ。なんかの授賞式でスティングといっしょに演ったときは笑えたけど。パフィーはその後、UTFO“Roxanne Roxanne”ネタで“Roxanne”のリミックスもした。(出嶌)
10cc
『Bloody Tourists』Mercury/1978
ポリスと同じく高度なミュージシャンシップで結ばれた10cc。ポップス・ファンでなくても買わずにはいられないシングルを連発したところなんて浅からぬ間柄……で、メンバーのケヴィン・ゴドレイ&ロル・クレームは、のちにポリスのプロモ・クリップを手掛け、ただでさえ素晴らしい楽曲たちを鮮やかに彩った。(村尾)
トライセラトッップス
『THE GREAT SKELETON'S MUSIC GUIDE BOOK.』エピック/1998
トライセラトップスの懐深さを実感させたミディアム・スロウの名曲"GOTHIC RING"。そのプロモ・クリップの冒頭-灰皿のアップがモノクロで映し出される-を見てニヤリとした和田唱好きの女子はいないと思うけど。全編の質感も"Every Breath You Take"さながら。……スリー・ピース。(久保田)
コーネリアス
『CM』トラットリア/1998
グループを解散してからの嗜好を振り返ってみると、どちらかといえばオザケンのほうがスティングっぽかったりするところも。とはいえ〈猿〉っぽいルックスということでは、こちらに軍配。スティング“Brand New Day”のリミックスを手掛けているコーネリアスですが、同リミックス収録の〈CM2〉は幻に。(久保田)
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