PUBLIC ENEMY #1 体制と闘い続けたミュージシャンたち
RAGE AGAINST THE MACHINE
反体制的であることがロックの主流ではなくなってきた90年代、ゴリゴリと登場したレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。あらゆる不当を暴かんとする左寄りの言動や行動で物議を醸した。いちばんの活動家ぶりを発揮してきたザック・デ・ラ・ロチャはバンドを脱退してからも〈Mumia 911〉などのプロジェクトで活動。
JAMES BROWN
レコード会社の白人重役が相手でも、必ず〈ミスター・ブラウン〉と呼ばせて対等であろうとした御大JB。社会意識が前面に出ていなくとも、彼の主義主張は明白だった。ブラック・パンサーからの要請で“Say It Loud I'm Black And I'm Proud”を歌ったことでも名高い。後年は権力に苛まれもしたが、首尾一貫したファンク魂は不滅。
FELA KUTI
死してなおその影響力は絶大なナイジェリアの闘士、フェラ。反体制、というか国家そのものにここまで露骨に弾圧され、それに対してここまで真正面から〈闘争〉を挑んだミュージシャンが他にいるだろうか? 数々の不当逮捕や襲撃に遭いながらも、みずからの〈共和国〉をバックグラウンドに、演る音楽そのものが主張であるかのような濃い活動を展開した。ということで、フェラこそ〈パブリック・エナミーNo.1〉では!?
ICE-T
ギャングスタな印象もあるが、かつてはPEと並ぶ社会派ラッパーと呼ばれた彼。リリックの過激さ(というか現実味)のため、『Home Invasion』が一度はリリース中止の憂き目にも遭った。権力は彼がストリートから得る手厚い支持を恐れていたのだ。
JOHN LENNON
ワーキング・クラスの英雄は、そのまま体制の敵と見なされた。ビートルズ時代から反権力や反教会発言で物議を醸してきたオトコだが、NYを住まいとするにあたって、マジでFBIにマークされ続けていたのは有名な話。その死にも体制側の陰謀説が囁かれたのも頷ける。ちなみに名曲“Power To The People”のタイトルは、ブラック・パンサー党のスローガンから引用したという説も。