こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2011年03月09日 17:59

更新: 2011年03月09日 18:37

ソース: bounce 329号 (2011年2月25日発行)

インタヴュー・文/小泉いな子

 

HOTEL MEXICOが届ける黄昏色の宝石

 

 

グローファイって朝方に聴きたくなる、ウォッシュド・アウトみたいな音楽のことでしょ!? そうそう、パーティー終わりの疲れた身体に優しく響くような、まったりゆったりしたやつ。ネオン・インディアンやトロ・イ・モワ、スモール・ブラックあたりがUSインディー・シーンで人気らしいね……とか何とか気にかけていたら、ここ日本にもシンクロしたバンドを見つけました! その名はHOTEL MEXICO! 始まりは2009年の春、同じ大学のサークル出身という6人によって京都で結成されたそうです。

彼らが昨年8月にエリア限定でリリースし、このたび晴れて全国のタワレコでも容易に入手できるようになったファースト・アルバム『HIS JEWELLED LETTER BOX』は、USのグローファイ系バンドと完全にリンクしたサイケでドリーミーなムード満点のシンセ・ポップ盤。開放的でどこかノスタルジックな空気が漂うサウンドは、ウォッシュド・アウトを凌駕するほどのセンスの良さで(マジ!)、聴けば大興奮すること確実です。そこで、グローファイ・ムーヴメントへの加担を狙ったのか、ちょっと意地悪な質問を投げてみました(だって、あまりにもグッドなタイミングなんだもの!)。

「いや、いまだに僕たちはグローファイが何なのかを把握しきれてないんです。ムーヴメントって意外にやっている人たちが近かったりするだけでそう呼ばれることが多いような気がするし。でもグローファイと呼ばれている音楽は好きで、ウォッシュド・アウトも好きなアーティストのひとり。良い音楽からは常に影響を受けてますね。僕がいちばん好きなアーティストはヴィンセント・ギャロです」(石神龍遊、ヴォーカル/シンセサイザー)。

まさかのギャロ! でも、切なくも美しいメロディーにどことなくシンパシーを感じたということか!? それはさておき、このHOTEL MEXICO、すでに〈Pitchfork〉や〈FADER〉など海外のメディアにも取り上げられ、世界中のブロガーから絶賛されているのです。

「僕たちが普段からチェックしているメディアに認められたのは正直夢のようで、純粋に嬉しいです」(石神)。

こんな素直な感想をポロッと漏らしてくれるくらい本人たちは至って普通の兄ちゃんですが(親近感が湧きますね~)、この様子だと次作は海外でもドカンとリリースされる可能性大だし、本格的な世界進出も視野に入れているのでは?

「『HIS JEWELLED LETTER BOX』をリリースしたタイミングで海外のブログに取り上げてもらったので、それ以降はブログを英語と日本語の両方で書いていますけどね。僕たちと同じように、海外のローカル・バンドや音楽について知りたい人たちにHOTEL MEXICOを知ってほしい。そうそう、先日〈VBS.TV〉傘下に〈Vice〉がミュージック・チャンネル〈noisey〉を新たに始動させたということで、HOTEL MEXICOのショート・ムーヴィーを撮りに来たんですが、そういった世界中の人たちに観てもらえるような活動はしていきたいと思っています」(伊東海、ベース)。

19か国で配布されている人気フリーペーパー〈Vice〉のネット動画にもフィーチャーされるなんて、どんどん良い方向へ進んでいるじゃないですか! でも驚いたことに、これまで彼らは積極的なプロモーション活動を行わず、ブログ告知のみで現在の状況を築いたとのこと。何だかまだまだ大きくなっていきそうな予感ですが、皆さん、まずは『HIS JEWELLED LETTER BOX』を聴いてみないことには! そんでもってライヴも頻繁に行っているようなので、気になった人は彼らのfacebookでスケジュールをチェック!

 

▼関連盤を紹介。

ヴィンセント・ギャロの2001年作『When』(Warp)

インタビュー