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STEVEN, JOE, BRAD, TOM, JOEY! HEY COMMON!!――喧嘩しながらも互いに認め合い、この5人だからこそいままで走り続けられたんだぜ!

 

 

ここではエアロスミスの個性豊かなメンバーを、わかりやすく戦隊モノに例えて紹介していこうではないか! まず赤レンジャーは満場一致でフロントマンのスティーヴン・タイラーに決まりだな。派手なファッションや華麗な私生活も含め、すべてがロック・ヒーローのお手本と言えよう。過去5年間を振り返ってみても、エアロ脱退を宣言するわ(その理由は「アメリカン・アイドル」の審査員を優先させるためだったとか)、3度目の結婚報道が流れるわ……数々の話題を振り撒いてスポットライトを独占中。もちろん本業の音楽活動にだって精力的で、例えば近年だとソロ・シングル“Love Lives”の他にも、スライ&ザ・ファミリー・ストーンやサンタナなどの話題作に顔を出しては抜群の存在感を発揮している。

さて、クールでニヒルな青レンジャーは、やはりリード・ギターを担当するジョー・ペリーか。女癖の悪いスティーヴンに対し、ロック界きっての愛妻家として有名な彼は、ときおりブラッド・ウィットフォードにリード・ギターを譲るなど仲間を立てることも忘れない。が、スティーヴンと火花を散らすことも多々あり、その最悪の結末として79年から84年までバンドを離脱してしまう。その期間に始動させたジョー・ペリー・プロジェクトをはじめ、以降のソロ作にせよ、ミック・ジャガーやレス・ポールなどの客演作品にせよ、課外活動は概ねルーツ志向が強め。そんな部分も一本筋が通っているような気がして、同性ながら惚れてしまうな!

続いて、緑レンジャーには縁の下の力持ち的存在であるブラッド・ウィットフォード(リズム・ギター)を推薦したい。リズムに徹する姿がとにかくストイックで、特にジョーからの信頼は厚く、ジョー・ペリー・プロジェクトに引き抜かれもした。また、81年にはデレク・セント・ホルムズ(マイケル・シェンカー・グループ他)とコラボ盤『Whitford/St. Holmes』を発表し、ソングライターとしての才能を開花。本隊でも“Last Child”などいくつかの名曲を手掛けているぞ。

お次はベーシストのトム・ハミルトン。笑顔が素敵なこのイケメンはやはり桃レンジャーだろうか。2006年に2度も喉頭ガンを再発させているが、そのたびに手術を成功させて必ず復帰する姿に、勇気をもらっているファンは多いはずだ。ラストのジョーイ・クレイマー(ドラムス)はムードメイカーということで、文句なしの黄レンジャー。インタヴューの受け答えはもちろん、(高スキルなわけではないが)いつだって安定しているプレイからも、性格の良さを感じることができる。ちなみに桃&黄に目立った外仕事はなく、本隊での活動に専念している様子。新作『Music From Another Dimension!』ではそんなトムとジョーイがそれぞれ作曲したナンバーも久々に採用されていたり、トムに至っては初めてヴォーカルを務めた曲(初回限定のデラックス盤のみに収録)まであるらしく、そちらも大いに期待したい。

 

▼関連作品を紹介。

左上から、2011年発表のスティーヴン・タイラーによるシングル“Love Lives”(Columbia)、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの2005年作『Different Strokes By Different Folks』(Epic)、サンタナの2008年作『All That I Am』(Arista)、ジョー・ペリー・プロジェクトの80年作『Let The Music Do The Talking』、ジョー・ペリーの2005年作『Joe Perry』(共にColumbia)、ウィットフォード&セント・ホルムズの81年作『Whitford/St. Holmes』(Columbia)、エアロスミスのメンバー全員で参加したアリス・クーパーの89年作『Trash』(Epic)

 

 

▼スティーヴンとジョーが揃って参加した作品。

左から、98年のボブ・マーリーのトリビュート盤『Chant Down Babylon』(Tuff Gong/Island)、2004年のサントラ『Lightning In A Bottle』(Sony)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2012年10月17日 18:00

更新: 2012年10月17日 18:00

ソース: bounce 349号(2012年10月25日発行)

文/山口コージー

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