こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

TOXIC TWINS――成功の鍵は二枚看板の方程式にあり!?

 

ロック・バンドにおいてヴォーカルとギターは言わば花形である。その両者が抜群のコンビネーションを見せたり、火花を散らしたりする様子は、ロックの大きな醍醐味のひとつ。で、真っ先に思い浮かぶのが、もはや伝統芸能の如き絶妙な掛け合いを見せるローリング・ストーンズのミック&キースと、史上最強の鉄壁フロント・コンビとも言うべきレッド・ツェッペリンのジミー&ロバートだろう。またフロント2人のせめぎ合いで魅了した第2期ディープ・パープルの、〈お前よりも俺が目立つ!〉という実にロック的な思惑に基づいた(?)方法論が、このページの主役であるエアロはもちろん、ヴァン・ヘイレンやガンズ・アンド・ローゼズなどハード・ロック勢に与えた影響は絶大だ。もちろん日本にも二枚看板バンドは存在し、その好例としてブルーハーツやBOØWYあたりが挙げられよう。

90年代に入ってもブラーや初期スウェードのように、テクニック云々よりヴォーカリストとギタリストの好対照な個性をウリにするバンドが存在したが、思えばその系譜もリバティーンズあたりを最後にめっきり途絶えてしまった感がある。ヴォーカル1人が目立っているか、メンバー全員が仲良く横並び状態。最近のロックに良い意味でのハッタリやダイナミズムが感じられないのは、そこに一因があるんじゃないか?

 

▼関連盤を紹介。

左から、レッド・ツェッペリンの69年作『Led Zeppelin II』(Atlantic)、ブルーハーツの87年作『THE BLUE HEARTS』(メルダック)、リバティーンズの2004年作『The Libertines』(Rough Trade)

 

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2012年10月17日 18:00

更新: 2012年10月17日 18:00

ソース: bounce 349号(2012年10月25日発行)

文/北爪啓之

インタビュー