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JUST GIMME A KISS... LIKE THIS!――耳で聴いたピープル・トゥリー

 

エアロスミスをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ

 

THE YARDBIRDS 『Happenings Ten Years Time Ago 1964-1968』 Raven

ブルース・ブレイカーズ経由で“All Your Love”をカヴァーしたり、英国ビート・バンドを経由して(リズム&)ブルースを咀嚼した〈遠回りなアメリ感〉こそがエアロをエアロたらしめたエッセンスだろう。なかでもヤードバーズのフィルターを通した米国音楽は何度となくカヴァーされていて……新作のボートラでもモーズ・アリソン“I'm Not Talking”を演ってる! *出嶌

 

CARRIE UNDERWOOD 『Blown Away』 19/Sony Nashville(2012)

CMTアワードでスティーヴンと“Walk This Way”を披露し、あわやキス!という熱いステージで会場を沸かせた彼女は、そこでのがんばりが認められて新作にも招待。その参加曲がド直球のカントリー・バラードに仕上がったことから、スティーヴン以外の4人は〈ちょっと引いた〉と笑い交じりにコメントしてます。*山西

 

THE ROLLING STONES 『Beggars Banquet』 Decca/Abkco(1968)

デビュー当時のエアロはよく〈ストーンズのクローン〉と言われていたようで、スティーヴンとミックの口のデカさを抜きにしても、なるほど、やはり類似点は多い(ヴォーカリストとギタリストがよく喧嘩するところとか)。とりわけワルなイメージとドス黒いブルース・ロックをブッ放した本作が、初期のエアロに与えた影響は絶大だ。*山口

 

THE LAST VEGAS 『Bad Decisions』 FrostByte/Bickee(2012)

この若手バンドが鳴らすブルースを咀嚼した泥臭くてハードなロックンロールは、初期のエアロ好きなら絶対に気に入るはずだ! 本隊よりUSルーツ色濃厚なジョーのソロー・ツアーでオープニング・アクトも経験済みの、筋金入りのチルドレン! *山口

 

THE LEMONHEADS 『Varshons』 The End(2009)

95年に映画で共演して以来のお友達だというリヴ・タイラーとフロントマンのエヴァン。にしたって、ここでのレナード・コーエン曲のデュエットに漂う親密さは何事でしょう。プレイボーイとして鳴らしたスティーヴン親父も、これにはヤキモキ!? *山西

 

RUN-D.M.C. 『Raising Hell』 Profile(1986)

当初はリック・ルービンが落ち目のエアロをプロデュースする計画だったそうで、その着想のスピンオフが当時リックの秘蔵っ子だった彼らの“Walk This Way”再演に結実。ヴェテランの復活とヒップホップの市民権獲得に繋がった歴史的なコラボだが、異種格闘技戦というよりは両者とも素で拳を交わしているのがいい。なお、同年のビースティ・ボーイズ“The New Style”でも同曲は使われている。*出嶌

 

THE BEATLES 『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』 Apple/EMI(1967)

ビートル・フリークのジョーは、本作の映画版に敵役として抜擢され大喜びしたとか。そこで“Come Together”を披露しているわけだが、そもそも原曲(こちらに収録)がモロにエアロっぽくて。その後もリンゴのソロ作やジョンのトリビュート盤に参加するほか、新作でもジュリアン・レノンを招くなど、いまも良好な関係は続いている! *山口

 

P!NK 『Missundaztood』 LaFace/RCA(2001)

エアロが“Pink”を発表した97年にソロへと転向。その際にステージ・ネームを同曲から拝借し……というのはただの憶測ですが、本作収録のスティーヴン参加曲“Misery”が、グレン・バラードと“Pink”を共作したリッチー・スパのペンによるものだったりして。これって単なる偶然なんでしょうか? *山西

 

THE NEW YORK DOLLS 『New York Dolls』 Mercury(1973)

同バンドのマネージャーに気に入られ、デビューへの糸口を掴んだエアロ。勉強のために観させられた彼らのライヴで、スティーヴンはデヴィッドの派手な衣装とパフォーマンスに衝撃を受けたそうだが、ステージ上での振る舞い方を模倣するだけでは飽き足らず、デヴィの元妻にも手を出してしまい……。いろんな意味で2人は兄弟。*山西

 

THE SHANGRI-LAS 『The Leader Of The Pack』 Red Bird(1965)

フォー・トップスを引用するなど60sのヴォーカル・グループ好きとして知られるエアロは、『Nights In The Ruts』でメアリー・ワイス本人をコーラスに迎えて“Remember(Walking In The Sand)”をカヴァーしたことも。フィンガー・スナップを用いた演奏から、満足気な表情が浮かびますね。*山西

 

KISS 『Monster』 Mercury/ユニバーサル(2012)

エアロの良きライヴァルであり、良き友と言えばチープ・トリックとキッスだろう! 特にコイツらとは、ジーン・シモンズのソロ作にジョーが参加したり、ジョイント・ツアーを決行したり、何かにつけてツルんでいる。オマケに新作まで同時期に発表するとは! *山口

 

SMAP 『Smap Vest』 ビクター

“Walk This Way”をカヴァーした平子理沙など日本にも信奉者の多いエアロですが、特に有名なのは木村拓哉でしょう。主演ドラマ「エンジン」での“Angel”使用も、映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の主題歌としてスティーヴンのソロ曲“Love Lives”が書き下ろされたのも、その愛の賜物に他ならないですね! *出嶌

 

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2012年10月17日 18:00

更新: 2012年10月17日 18:00

ソース: bounce 349号(2012年10月25日発行)

文/山口コージー、出嶌コージー、山西絵美

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