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特集

DISCOGRAPHIC ELIS REGINA



エリス・レジーナを知るための8枚



『Samba Eu Canto Assim』 Philips(1965)

メジャーのフィリップスからの第1弾となったメモリアルな5作目。エドゥ・ロボ、マルコス・ヴァーリなど同世代の曲を得て、〈私はこう歌うの!〉と気概に満ちた歌声を轟かせる19歳のエリス。ゴージャスなストリングスが付いたサンバ・カンソン系で聴かせる繊細な歌も魅力的。

 

『Dois Na Bossa』 Philips(1965)

ジャイール・ホドリゲスとのデュエット作第1弾で、当時ブラジル国内のレコード売り上げ記録を更新したライヴ盤。ジョンゴ・トリオのスウィング感溢れる演奏に乗ってビュンビュン飛ばしていくエリスが荒々しく猛々しく、笑っちゃうほどエネルギッシュ。渦巻く歓声も熱すぎ。

 

『In London』 Philips(1969)

疾走感溢れる歌声が飛び出してくる冒頭の“Corrida De Jangara”からして胸が高鳴るロンドン録音作。ロベルト・メネスカルらバンド・メンバーやオーケストラと同時に歌入れしたからこそ生まれた勢いと迫力。グルーヴィーなエリスを楽しみたいならこれだろう。

 

『Como & Porque』 Philips(1969)

アントニオ・アドルフォやウィルソン・ダス・ネヴィスのバッキングも鉄壁な美しき傑作。フランス語による映画「シェルブールの雨傘」の“Recit De Cassard”などチャーミングな曲も数多く、エリスのハリのある歌声がジャケットの笑顔のようにとにかくキラキラと眩しくて。

 

『Em Pleno Verao』 Philips(1970)

聴いてて思わず笑顔がこぼれる“Vou Deitar E Rolar”で幕開け。アーシーでブルージーな演奏の“As Curvas Da EstraDa De Santos”やチン・マイアとの掛け合いが聴ける“These Are The Songs”など、ロックやソウルなどのエッセンスを散りばめた意欲的な楽曲が並んでいる。

 

『Elis』 Philips(1972)

のちに夫となるセーザル・カマルゴ・マリアーノとの初顔合わせとなった本作は、彼の弾くエレピのスタイリッシュな音色がエリスが持つ歌声の色香をグッと引き出していて最高だ。MPB系の新進コンポーザーらの曲に混じってトム・ジョビンのカヴァーがキラリと光っている。

 

『Elis & Tom』 Philips(1974)

ボサノヴァの代表的名盤である本作は、アントニオ・カルロス・ジョビンとの和解ののちにLAで録音された初共演作。少し前まで心底憎んでいた相手とは信じ難いほど、ここでのエリスは大作曲家と仲睦まじげに寄り添い合っており、聴く者の心を溶かすような音楽を奏でている。

 

『Essa Mulher』 Warner Bros.(1979)

ジョアン・ボスコ作の“Bebado O Bebado E A Equilibrista”を収めたワーナーへの移籍第1弾。ジョイス作の表題曲をはじめ、言い知れぬ深みを感じさせる歌唱のオンパレードで、長年国民的歌手として君臨してきたエリスの風格が滲む作品となった、ひとつの到達点。

 

OTHERDISCOGRAPHIC

ALBUM
『Viva A Brotolandia』 (1961)
『Poema De Amor』 (1962)
『Elis Regina』 (1963)
『O Bem Amor』 (1963)
『O Find Do Fina』 (1965)
『Dois Na Bossa No.2』 (1965)
『Elis』 (1966)
『Dois Na Bossa No.3』 (1965)
『Elis Especial』 (1968)
『Elis Regina & Toots Thielemans』 (1969)
『Ela』 (1971)
『Elis』 (1973)
『Elis』 (1974)
『Falso Brilhante』 (1976)
『Elis』 (1977)
『Saudade Do Brasil』 (1980)
『Elis』 (1980)

LIVE ALBUM
『Elis - Notreno Da Praina』
(1971)
『Elis -Transversal Do Tempo』 (1977)
『13th Montreux Jazz Festival』 (1982)
『Trem Azul』 (1982)

COMPILATION
『Elis Por Ela』
『Perolas Raras』
『Elis Canta Edu』
『Se Eu Quiser Falar Com Deus』
『The Voice Of Brazil』
...and more!



カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2013年01月23日 15:30

更新: 2013年01月23日 15:30

ソース: bounce 351号(2012年12月25日発行号)

文/桑原シロー

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