PLAYWRIGHT――orange pekoeの新作もリリースした新進レーベルに注目!
例えばJazzy Sportやブラウンズウッドのように、名称がそのまま所属アーティストたちの音楽性やヴァイブと繋がって連想される、ブランド力の強いレーベルがある。ここで紹介するPlaywrightもまた、そうした存在をめざして誕生した新興レーベルだ。もともとImmigrant's Bossa Bandなどで知られるThink!のスタッフによって、より明快なブランドから現代アーティストの作品を送り出すべく設立され、上掲のorange pekoe『Tribute to Elis Regina』が記念すべき第1弾作品ということになるが、実はそれ以前の第0弾タイトルも存在している。それがタワレコ限定でリリースされているfox capture planのミニ・アルバム『FLEXIBLE』だ。
fox capture planは〈ポスト・ロック×ジャズ〉をコンセプトに掲げるピアノ・トリオで、ピアノの岸本亮(JABBERLOOP)、ベースのカワイヒデヒロ(Immigrant's Bossa Band)、ドラムスの井上司(nhhmbase、direction of the chord)という手練たちによって2011年に結成。シンプルな編成でダイナミックに寄せるエモーショナルなプレイには定評があり、その『FLEXIBLE』ではビョーク“Hyperballad”のクールな改編も話題になった。
そしてオレペコ作品に続く第2弾として登場したばかりなのが、bohemianvoodooの新作『SCENES』だ。2008年に横浜で結成された彼らは、bashiry(ギター)、木村イオリ(ピアノ/キーボード)、Nassy(ベース)、井上孝利(ドラムス)の4人による〈クロスオーヴァー・インストゥルメンタル・バンド〉。2010年に島裕介のプロデュースによる初作『Lapis Lazuli』を出し、翌年のライヴ盤を経ての今作では、ジャズ〜フュージョンを基盤にラテンやソウル、ヒップホップなど個々の志向も織り込んでバンド・サウンドをマッシヴに深化させている。木村とbashiryのペンによる美しいメロディーは全編通じての聴き心地の良さを保証するし、NOBU(Immigrant's Bossa Band)のパーカッションや引き続き助力する島裕介らのホーンズも熱気と起伏を巧みに誘導。総じて爽快なドライヴ感のあるカッコイイ仕上がりじゃないか。
なお、2013年にはfox capture plan待望のフル・アルバムを筆頭に、Immigrant's Bossa Bandらの次作も控えているようで、各アクトの活躍と共に今後のPlaywrightの動きにも注目しておきたい。