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カテゴリ : スペシャル

掲載: 2013年02月27日 18:01

更新: 2013年02月27日 18:01

ソース: bounce 352号(2013年2月25日発行)

構成・文/出嶌孝次



UKの国民的スターが気鋭のアップカマーたちと合体して大いなる進化を見せる!!



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「リアクションは凄かったし、このような反響を貰えると思ってもいなかった。でも自分たちのやっていることに自信を持っていたし、楽曲はライヴでとても良かったし、自分たちもとても楽しんでいたし、ファンもレーベルも非常に気に入ってくれたことが全英No.1に繋がったんじゃないかと思う。1位になることなんていままで考えたことなかったけど、まずファンに気に入ってもらえて、ライヴを観に来てもらえるような良い作品を作りたいね」。

2011年にリリースしたサード・アルバム『Playing In The Shadows』への反響についてそのように振り返るイグザンプル。全英チャートを制した同作からはマイケル・ウッズ製の“Changed The Way You Kiss Me”とネロの手掛けた“Stay Awake”もシングル・チャートの首位をマークした。そんな成功に胡座をかくことなく、カルヴィン・ハリスの“We'll Be Coming Back”やレッチ32の“Unorthodox”といった客演曲も大ヒット(共に全英2位)に結びつけるなど、凄まじい勢いを発揮し、(本国では)前作からちょうど1年ぶりに4枚目のアルバム『The Evolution Of Man』を送り出したのだ。またまた全英2位に輝いた先行シングル“Say Nothing”を手掛けたダーティ・サウスを中核に据え、前作から続投となるフィード・ミーやスクリーム、そのマグネティック仲間でもあるベンガ、アレッソ、BBCで影響力を誇るゼイン・ロウら錚々たるクリエイター陣が参加している。日本盤ボートラも含めればフラックス・パヴィリオンやAN21&マックス・ヴァンゲリ、期待のbanvoxといった豪華さだ。そうしたダンサブルなトラックに乗せて本人のラップと渋い歌(もともとモービー似だったが、今回はさらにデヴィッド・ボウイ風な局面もある!)をしっかり聴かせる作りに変わりはない。とはいえ、トラックのアグレッションは過去作とかなり異なっていて、歪んだギターやバタつくドラムスをわかりやすく強調したものとなっている。それは本人も「今回のコンセプトはエレクトロニック・アルバムにグランジやブリット・ポップのアティテュードを持ち込むこと。実際にブラーのグレアムがギターで参加してくれたよ」と説明する通りだ。

「彼らをプロデューサーに選んだのは、俺が彼らのやってることをリスペクトしてるってことと、彼らが通常やっている音楽とはちょっと違った制作への参加を頼めるほど近い関係だってことさ。その方式は上手くいったな。ダーティ・サウスのような人は違った楽器を弾くし、違ったプログラミング、エンジニアリング、そしてプロデュースをする。彼らはDJでもあるから、ライヴでどんな曲がうまくいくか、クラブで何がウケるか、よくわかっているからね」。

こうしたクリエイターの名前を見てベース〜EDM系の旬に乗った作品だと思う人も多そうだが、もともとグライム以降のUKラップ作品ではこの手の自由な試みがチャートでも主流として機能してきたわけで、そういう意味ではここに現行ポップの王道があると言える。が、そうした〈ユーロ流儀〉が北米を中心にEDMと括られたことで受容されやすくなったのはポジティヴな事実に違いない。

「エレクトロニック・ミュージックは常に発展している。いまのシーンはとても良いと思うよ、音として良いしね。聞いた話だと、USではほとんどの人がまだダブステップやハウス、テクノなんかの違いがわからないそうだね。だからEDMと一括りにするんだって。俺たちにとっては、どんな形のエレクトロニック・ミュージックでも好きになってくれるのはありがたいよ」。

精力的にツアーを展開しながら早くも次のアルバムに取りかかっているという彼は、その先の世界を見据えているのだ。



▼関連盤を紹介。

左から、フィード・ミーの2010年作『Feed Me's Big Adventure』(Mau5trap)、マグネティック・マンの2010年作『Magnetic Man』(Rinse/Columbia UK)、AN21&マックス・ヴァンゲリの2012年作『People Of The Night』(Size)、グレアム・コクソンの2012年作『A+E』(Transgressive)

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