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カテゴリ : スペシャル

掲載: 2013年03月27日 18:00

更新: 2013年03月27日 18:00

ソース: bounce 353号(2013年3月25日発行)

文/土田真弓

 

グラインドコア+ギター・ポップな、新感覚の渋谷系サウンド!?

 

 

ハーモニーも掛け合いもとびきりラヴリーな女子ツイン・ヴォーカルと、ジャングリーな90sフレイヴァーのギター・サウンド……なのだけど、バックの演奏が妙に速くて重い……と思ったら、突如男子たちのデス声が!  しかもぶち壊し感はまるでなく、さらりと女声に戻ったうえにクラップまで入れちゃって、というアクロバティックなミクスチャー・センスに、冒頭曲からたまらず爆笑してしまった。これはおもしろい!

このたび初の全国流通盤となる『THRASH BREAK Vol.004』をリリースした彼らは、mitsukiとmisakiという2人の女性ヴォーカリストをメインとする6人組。ルーツにBOaTやCOALTAR OF THE DEEPERSの名が挙がっていて納得したが、ハードコア・パンクやスラッシュ・メタル、シューゲイザーといった要素を内包しつつ、なぜか渋谷系の系譜に連なるネオアコ〜ギター・ポップな音を鳴らしているという、独特のオルタナ感覚が実にユーモラスなバンドだ。ラウド・ロックのあれこれを注入したフリッパーズ・ギター、といった形容がわかりやすいだろうか。

さらには瑞々しく加速するロリポップ・ナンバーや、ニューミュージックなムードも備えたポップ・チューンなど、本作は2曲目以降もエヴァーグリーンなテイストの楽曲が続くものの、ふいにサイケデリックなギターが唸りを上げ、かと思えばキング・クリムゾンばりのプログレッシヴな展開を見せ、しまいには言葉にならない雄叫びが飛び交い──そんなアクセントがどの曲にも用意されており、いつ、何が飛び出すのか!?というワクワク感が最後まで止まらない。

〈渋谷系〉というワードの示す意味は多面的だが、彼らはそこに含まれる手法/音楽性をさりげなく両立させているバンドかもしれない。〈渋谷系チルドレン〉と言えそうな新世代がふたたび増加中の近年。この塩を投入することで甘みを強調したようなジャンク感は、大きな武器になるのでは? ともあれ、断固支持!

 

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