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アルバム・デビューまでのJBをおさらい

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2013年04月03日 17:59

更新: 2013年04月03日 17:59

ソース: bounce 353号(2013年3月25日発行)

文/ヌーディーマン

 

歌、そして隙間の妙という両翼――『James Blake』という表現方法にジェイムズ・ブレイクはどのような道程で辿り着いたのだろう。とにかく居心地の良さに感銘を受けたという当時のダブステップへの愛を吐露するかのような、簡素なトラック“Air & Lack Thereof”(2009年)でシーンへと飛び込んだ彼は、すでにスペースの雄弁さと、匿名声が誘うメランコリーの機能性を、無自覚ながらも捉えていたように思える。特に前者の要素は、ハーモニクス名義でも追及しているように黒い実験音楽としてDMZなどの先輩諸氏やディプロ、リル・ウェインら憧憬へと接近する説得力すらすでに備えていた。ただ、世間へ彼の才能を浸透させるきっかけとなったのは後者、メランコリーな歌の機能性だ。US経由のスクリューとベース・ミュージックを邂逅させた“The Bells Sketch”(2010年)や多くのリミックス曲で印象を残す声なき〈歌〉で火がついた導火線はそのままポスト・ダブステップの隆盛と共に“CMYK”(2010年)という色鮮やかなアンセムへと辿り着く。

そして、『James Blake』からの先行曲“Limit To Your Love”でJBはみずからの歌唱を表現方法の主役に据えてみせた。匿名性から、一個人としてその表現豊かな歌声を発したその一歩は、JB以降という形容がさまざまな場所で躍り出すほどのパラダイム・シフトを引き起こし、シンガーとして、そしてもともと持っていた無音部分に何かを潜ませる才能もそのまま、おもしろいように波紋を広げていくのだった。

 

▼メジャー・デビュー前のジェイムズ・ブレイク音源が聴けるコンピを紹介。

左から、“Air & Lack Thereof”を収めた『Hemlock Recordings Chapter One』(Hemlock)、“Sparing The Horses”を収めた『Blow Your Head: Diplo Presents Dubstep』(Mad Decent)、“Give A Man A Rod”などを収めた『116 & Rising』(Hessel Audio)、“CMYK”などを収めた『IOTDXI』(R&S)、“Pembroke”を収めた『BRAiNMATHs Vol 1』(Brainmath)

 

 

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