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DISCOGRAPHIC MAKOTO KUBOTA



久保田麻琴を知るための8枚



久保田麻琴 『まちぼうけ』 SUPER FUJI(1972)

米国遊学より帰国後に制作した原点作。松任谷正隆プロデュースによって作り上げたアシッド・フォーク的佇まいの本作には、後藤次利や駒沢裕城といった同世代の若き職人たちも参加。裸のラリーズの水谷孝が作詞した“あさの光”の研ぎ澄まされた美しさに思わずため息。

 

久保田麻琴 『サンセット・ギャング』 SHOWBOAT(1973)

ソロ名義第2弾だが、実質的には夕焼け楽団のデビュー作。フォーク、ブルース、カントリーといった米国ルーツ音楽を消化し、ゴジラのジャケットからは想像がつかないアーシーなサウンドを展開。“ルイジアナ・ママ”や“バン・バン・バン”を選ぶカヴァーのセンスも絶妙。

 

久保田麻琴と夕焼け楽団 『ハワイ・チャンプルー』 SHOWBOAT(1975)

〈ワールド〉へと突っ走る最初の第一歩であり、和製チャンプルーの金字塔。エキゾ番長・細野晴臣との共同制作によりハワイ録音されたことで、ピースフルな空気感が充満。喜納昌吉“ハイサイおじさん”のカヴァーも有名だが、“初夏の香り”のレイジーさこそ本作の魅力。

 

久保田麻琴と夕焼け楽団 『ラッキー・オールド・サン』 SHOWBOAT(1977)

夕焼け楽団というより〈Sunset Gang〉という横文字が似合う洗練された世界。オリエンタル風味は薄れ、同時代のアメリカン・ロック的なクリア・サウンドへと変貌。細野晴臣ら盟友だけでなく、ジェフ・ マルダー、エイモス・ギャレット、ロニー・バロンなどゲストも豪華。

 

久保田麻琴と夕焼け楽団 『セカンド・ライン』 SHOWBOAT(1977)

ニューオーリンズにどっぷり浸かった夕焼け楽団名義での最終作。“IKO IKO”や“HEY! POCKY A-WAY”などの名曲カヴァーの合間に、さりげなく沖縄や中国の薫りを漂わせる技も。ティン・パン・アレー勢に加え、スティーヴ・クロッパーやレヴォン・ヘルムも参加。

 

サンディー&ザ・サンセッツ 『Viva Lava Liva』 ソニー(1984)

夕焼けからサンセッツへ、人力からテクノへ。サンディーをフロントに据えてまったく違うグループに大変身した後のベスト盤。沖縄とニューオーリンズをごった煮した“開けゴマ”などは、夕焼け楽団の発展系らしさたっぷり。当時はオーストラリアでも大ブレイク。

 

久保田麻琴 『BALI DREAM』 ヴィヴィド(2008)

バリ島でのフィールド録音をプログラミングで構成した旅のスケッチ。blue asiaでの手法を踏襲し、民族楽器や伝統舞踊を用いた音源に鳥の声や波の音などを重ねていく。女性ヴォーカルをフィーチャーしたガムラン・エレクトロニカ“Bandung”も興味深い。

 

久保田麻琴 『SPA ASIA』 Della(2010)

アジア各地で現地録音された音源を加工し、ヒーリング・サウンドに仕上げた異色盤──というと『BALI DREAM』の続編のようだが、本作はアンビエント寄りでなおかつ楽器やメロディーもどこか記号的。中国、東南アジアからインド、中近東まで旅のエリアも拡大。

 

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ALBUM
久保田麻琴と夕焼け楽団 『ディキシー・フィーバー』
(1977)
ザ・サンセッツ 『Heat Scale』 (1981)
サンディー&ザ・サンセッツ 『Immigrants』 (1982)
サンディー&ザ・サンセッツ 『La La La Love』 (1986)
サンディー&ザ・サンセッツ 『Rhythm Chemistry』 (1987)
サンディー&ザ・サンセッツ 『One Love』 (1988)
サンディー&ザ・サンセッツ 『Orientation』 (1989)
Harry & Mac 『Road To Louisiana』 (1999)
久保田麻琴 『On The Border』 (2000)
blue asia 『Hotel Ibah』 (2001)
blue asia 『Hotel Istanbul』 (2001)
blue asia 『Hotel Waimea』 (2002)
blue asia 『Hotel Re-Champur』 (2002)
blue asia 『Hotel Vietnam』 (2003)
blue asia 『Hotel Bangkok』 (2005)
久保田麻琴 『KAUAI March-05』 (2005)
久保田麻琴 『Spirit of Healing - Bali』 (2005)
久保田麻琴 『Spirit of Healing - India』 (2006)
blue asia 『Hotel Morocco』 (2006)
blue asia 『SKETCHS OF MYAHK』 (2009)



カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2013年05月21日 15:15

更新: 2013年05月21日 15:15

ソース: bounce 354号(2013年4月25日発行)

文/栗本 斉

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