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DISCLOSURE

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2013年08月22日 19:30

更新: 2013年08月22日 19:30

インタヴュー・文/松永尚久



何を言われても僕たちにはこれが新しい音なんだ——次世代ダンス・ミュージックを新たに定義しうる兄弟デュオの超新星、ディスクロージャーが日本上陸!



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EDMやダブステップなどの登場で、メジャー/インディー問わず注目されているエレクトロニック・ミュージックのシーン。しかし、今年に入ってその先駆けと言えるダフト・パンクが完全ディスコ・アルバムを、またいち早くエレクトロとヒップホップを融合させた存在のひとりである、カニエ・ウェストも最新作『Yeezus』ではそれと乖離した作品を発表、時代が刻々と変化している状況を示した。

そんな変革期を迎えつつあるシーンで、頭角を現しているのが、英サリー州出身のガイとハワード、ローレンス兄弟から成るバンド、ディスクロージャーである。2010年より活動を開始、フェイスマスクを施したヴィジュアルが話題を呼び、昨年にSBTRKTやホット・チップのオープニング・アクトを務めたり、ジェシー・ウェア“Running”のリミックスを手がけたことで注目。同年秋にリリースしたメジャー初シングル“Latch”(サム・スミスをフィーチャー)は、30万以上のセールスを記録するほどのヒット。今年1月にリリースしたシングルも“White Noise”(アルーナジョージをフィーチャー)が全英チャート初登場2位にランクイン。さらにファースト・アルバム『Settle』では、同チャート初登場1位を獲得するなど、その存在はいまや社会現象と化しているのである。

「僕らは当初アンダーグラウンドで楽しく活動できればと思っていたから、正直この状況は驚いているんだ」(ガイ)。

幼い頃はマイケル・ジャクソンからJ・ディラまで、ヒップホップやR&Bを聴いて育ったという兄弟。サウンドには、そこからの影響を感じさせるソウルフルなメロディーがありながらも、ガラージ・ハウス、2ステップ、ビッグ・ビートなど、90年代のクラブ・ミュージックを体感したことがある人にとっては、涙が出るほど懐かしいビートを駆使している。しかもそれを、当時を知らない90年代生まれ(弟のハワードはジャスティン・ビーバーと同い年の19歳!)が作っているのがおもしろい。

「僕ら、最初に耳にしたエレクトロニック・ミュージックがダブステップの世代だからさ。逆にそれをまともに表現するほうに、抵抗があったんだよね。それで、いろいろ遡っていくうちに、ガラージとか90年代のクラブ・ミュージックに辿り着いたってわけ。あの当時のクラブ・ミュージックって、非常に洗練されていて、かつ質の高いソングライティング・センスも兼ね備えている。現在にはないものだよ。きっとこれをうまく活用したら、新しいムーヴメントを築くことができると思ったんだ」(ガイ)。

「正直、いま〈クラブ・ミュージック〉と言われているものって、洗練されていないというか。最悪な質のものばかりだと僕らは思うんだ(笑)。だから、アルバム『Settle』でめざしたのは、みんながいいと思ってくれるような、ヴォーカルのしっかりした曲と、インストとしてしっかり作り込まれたクラブ・チューンの両方をバランスよく収録するということだった。また、いろんなテンポの曲を作るということも大切にしたよ。50分間ずっとハウスの4つ打ちのみだと、自分たちも含めて嫌気がさすと思ったんだよね」(ハワード)。

現在敢行中のツアーでは、各地でソールドアウトが続出(USでも同様)。また、ストリートではあのフェイスマスクが至るところで目撃されるなど、彼らはクラブ・シーンを超え、新たなカルチャー・アイコンとしての注目も集めつつある。

「いろいろと曲を作ってみて感じたのは、シンプルかつストレートにしたほうが、効果は大きくなるということだった。活動したばかりの頃って、複雑なリズムや高速テンポの曲を作ることを熱心に追求していたんだけど、いまはいかに優れたフックを入れることができるか?を大切にしているんだ」(ガイ)。

「ヴィジュアルに関しても、わかりやすいしね。でもあれ、実は苦肉の策だったんだ。インディーで発表したEP『Offline Dexterity』のために作ったものなんだけど、次の作品を発表するにあたってヴィジュアルにかける予算がなかった都合で、仕方なく流用することになったんだ。偶然によって、いまじゃディスクロージャーを語るうえで欠かせないツールになったんだ。不思議だよね(笑)」(ハワード)。



▼ディスクロージャーのリミックスを収録した作品。
左から、ジェシー・ウェアの2012年作の新装盤『Devotion: The Gold Edition』(Island)、コンピ『Subsoul: Upfront & Exclusive House, Garage And Bass Music』(Subsoul)

 

▼『Settle』に参加したアーティストの作品。
左から、エド・マクファーレンが在籍するフレンドリー・ファイアーズの2011年作『Pala』(XL)、イライザ・ドゥーリトルの2010年作『Eliza Doolittle』(Parlophone)、ジェイミー・ウーンの2011年作『Mirrorwriting』(Candent Songs/Polydor)

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