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特集

金子厚武:Day 3――早朝の閑散とした会場から気合いのスタート!

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2013年08月06日 18:00

更新: 2013年08月06日 18:00

文/金子厚武



早朝の閑散とした会場から気合いのスタート!



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VAMPIRE WEEKEND  photo by Masanori Naruse



今年は3日目のみの参加なので、一日遊び尽くすべく朝一の新幹線で苗場へ。普段は人で溢れ返っている〈OASIS〉も、最終日の開場直後ともなれば人はまばらで、月曜早朝の渋谷スクランブル交差点にいるような気分に。当然会場の奥へ行けば行くほど人の数はさらに減り、ほぼ人がいない〈ORANGE COURT〉を初めて見ました――3日目早朝の場内散策、オススメです。

ライヴは〈WHITE STAGE〉の七尾旅人から。歌とインプロヴィゼーションの組み合わせという意味では、次に観た〈GREEN STAGE〉のヨ・ラ・テンゴとも共通していて、サイケデリックな午前中を過ごしたものの、その空気を一変させたのが〈WHITE STAGE〉のthe telephones。初めて〈フジロック〉に出られたことの喜びをストレートに語り、いつも以上のハイテンションで苗場をディスコに変えた彼らのステージは、本当に胸がスカッとするものだった。洋楽育ちのバンドにとって、やはり日本一のフェスは〈フジロック〉なのです。

朝の散策が足に響いてきて、しばらく〈GREEN STAGE〉に居座ろうと思い、まずはTHEATRE BROOKと加藤登紀子のスペシャル・ユニットを観る。佐藤タイジは昨年末に太陽光発電のみで武道館公演を成功させ、今年の夏には同じ方法で野外フェスも開催予定だが、彼らがステージに登場した時は皮肉にもこの日いちばんの土砂降り。しかし、太陽について歌う“ありったけの愛”の演奏中に徐々に雨足が弱まると、加藤登紀子を迎え入れた“POWER TO THE PEOPLE”で見事に陽の光を降らせてみせたのだ。赤のドレスに身を包んだ彼女の姿はまさに太陽のようであり、シャーマニックな歌の力すら感じた瞬間だった。



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VAMPIRE WEEKEND  photo by Masanori Naruse



〈フジロック〉初登場にして〈GREEN STAGE〉に抜擢されたマムフォード&サンズが瑞々しいパフォーマンスを披露し、その期待にバッチリ応えると、続いては同じく2010年にいきなりこのメイン・ステージを任されたヴァンパイア・ウィークエンドが登場。当時はまだ若々しいお坊ちゃん風情であった彼らも、アメリカを代表するバンドとなったいま、エズラ・クーニグはすっかり凛々しくなり、風格すら身に着けていた。初期のパンキッシュな曲も盛り上がったけど、最新作のエレガントなナンバーが特に素晴らしかった。



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CAT POWER  photo by Yasuyuki Kasagi



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THE XX  photo by Yasuyuki Kasagi



見た目も曲もすっかり変わり、時間の流れを感じさせたキャット・パワーに続いて、〈WHITE STAGE〉のトリで登場したのがXX。3日目のこのポジションは、これまでもモグワイやシガー・ロスといった孤高の世界観を持ったバンドの出演が多いが、彼らもまたこの系譜に連なると言えよう。手打ちのリズムが微妙な揺らぎのあるグルーヴを生み出し、それに乗ってフロントの2人が美しい歌声を聴かせるというスタイルは、早くもひとつの完成形を見せていたように思う。

ラストは、2011年の〈フジロック〉で事故による記憶障害から復活を果たしたGOMA率いるGOMA & THE JUNGLE RHYTHM SECTIONを、深夜の〈RED MARQUEE〉で。いまだ後遺症を抱えつつも、着実に前進を続けるGOMAの姿に、この日いちばんの感動を覚えながら、疲れた身体をゆっくりと揺らしたのでした。



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