DISCOGRAPHIC EARTH, WIND & FIRE(1)――EW&Fを知るための15枚
EW&Fを知るための15枚
『Last Days And Time』 Columbia(1972)
レーベル移籍作となる通算3作目で邦題は〈地球最後の日〉。メンバーをほぼ総取っ替えし、カリンバが牽引する8分超のインスト“Power”などのジャム路線と、ブレッドやピート・シーガーのカヴァーなどソング・オリエンテッドな方向性が混在。フィリップ・ベイリーも登場!
『Head To The Sky』 Columbia(1973)
ドリーミーなラテン・リズムの“Evil”で始まり、シタールで不思議空間を作り出す“Keep Your Head To The Sky”など、6曲入りながらも濃ゆいクロスオーヴァー盤。ベスト盤でしかEW&Fを知らない人はブッ飛ぶよ! 結びはエドゥ・ロボの“Zanzibar”をジワジワと13分!
『Open Our Eyes』 Columbia(1974)
チャールズ・ステップニーがここから制作に参加。前作で踏み込んだブラジル要素も消化吸収し、EW&Fらしい重層的コーラスが完成した傑作ファンク“Mighty Mighty”、ネタ人気も高いスロウ“Devotion”など楽曲ごとの焦点が絞れてきた。邦題〈太陽の化身〉にもなぜか納得。
『That's The Way Of The World』 Columbia(1975)
本人たちも出演した映画のサントラで、初の全米1位獲得作! スピリチュアルな音塊が飛び出してくる“Shining Star”に、フィリップの優しいファルセットが力強いメッセージを歌う表題曲、EW&F史上最高のロマンティック・チューン“Reasons”を収録。邦題は〈暗黒への挑戦〉。
『Gratitude』 Columbia(1975)
超熱狂のライヴ・アルバム! 銅鑼が鳴って“Africano”へ駆け込み、怒濤のヒット連弾に至る展開は邦題〈灼熱の饗宴〉そのまま。スタジオ録音の新曲5つは“Singasong”など清涼なコーラスの活きた曲が中心だが、スキップ・スカボロー作の“Can't Hide Love”は別格的にクール!
『Spirit』 Columbia(1976)
ド頭の“Getaway”で天上にさらわれて、あとはそのまま“On Your Face”“Imagination”で心地良い別次元へ。ライト・ディスコな“Saturday Nite”など人懐っこいメロディーも山盛りだ。カリンバ・プロ設立後の初作にして、師ステップニーの遺作にもなった。邦題は〈魂〉。
『All 'N All』
邦題は〈太陽神〉。トム・トム84のホーン捌きが煌めく“Serpentine Fire”“Fantasy”“Jupiter”と冒頭の3連弾で感電! ジャケに反してブラジルの風が心地良く、“Brazilian Rhyme”などのデオダート関与曲以外では“Runnin”も美味。隠れ名曲“Be Ever Wonderful”も必聴。