DISCOGRAPHIC EARTH, WIND & FIRE(2)――EW&Fを知るための15枚
『I Am』 ARC/Columbia(1979)
シカゴともシンクロするデヴィッド・フォスターらの動員に賛否両論あったが、従来のEW&Fらしさを問わなければ高品質のAOR作品である。名バラード“After The Love Has Gone”にディスコを狙い撃った“Boogie Wonderland”が大ヒット。邦題は〈黙示録〉。なぜ?
『Faces』 ARC/Columbia(1980)
LP2枚組だった大作で、ドラマティックなメロ展開が素晴らしい“Turn Into Something Good”やギャリー・グレンも関与した“Song In My Heart”など力強いアップ・ナンバーがいずれも最高。モンセラット島録音ゆえか開放的な雰囲気を帯びた佳曲が次々に飛び出してくる。
『Raise!』 ARC/Columbia(1981)
“Let's Groove”はともかく、“I've Had Enough”などそれ以外の硬質なライト・ディスコに燃える。どう聴いてもマイケル・ジャクソン&クインシー・ジョーンズの成功方程式をパクッたのであろうアレンジが格好良すぎるヒット・アルバム。邦題は〈天空の女神〉。なぜ?
『Powerlight』 ARC/Columbia(1983)
メンバー間の結束の緩みもあってテクノロジー化が進み、タブラやスティールパンの導入と冗漫なギター・ソロなどが溶け合わず隣り合う。過去のヒット曲をいろいろ組み合わせたような“Fall In Love With Me”など楽曲単位の出来は悪くない。邦題は大風呂敷を広げて〈創世紀〉。
『Electric Universe』 ARC/Columbia(1983)
プリンスやアフリカ・バンバータが台頭してきた時代の要請に応え、ホーン隊を外すなどして機械化を押し進めたアルバム。黒さの減退しまくった直線的な作りがいま聴くと妙におもしろく、モーリスがAOR〜産業ロックにトライしたソロ・アルバムのようにも聴こえる。
『Touch The World』 Columbia(1987)
解散状態を乗り越えた一応5人組での復活作だが、演奏にはネイザン・イーストらブラコン職人が参加。フィリップが歌うモーリスのソロ作のような感じながら、デジタル感と温かみを折衷した音像はしなやかだ。90年代のEW&Fに新風を吹き込むシェルダン・レイノルズが初参加。
『Heritage』 Columbia(1990)
〈アフリカ回帰〉に回帰して、ピカピカの80年代からいち早く脱出してみせたコロムビアでの最終作。スライにMCハマー、ボーイズといった各世代のゲストを迎えた(当時としては)異例の作りもハマっている。演奏メンバーの復帰もあり、全体の跳ねるグルーヴが瑞々しいのも特徴。
『Avatar』 Kalimba/avex trax(1996)
あきらかに〈戻ってきた〉感じがする90年代の代表作。ボトムがGファンクっぽくパワフルな“In The Name Of Love”や幻想的なバラード“Cruisin'”など曲の粒も揃っている。“Bahia”など70年代テイストの曲が後輩メンバーの手によるものだったりするのも興味深い。
OTHERDISCOGRAPHIC
ALBUM
『Earth, Wind & Fire』(1970)
『The Need Of Love』(1971)
『Millennium』(1993)
『The Promise』(2003)
『Illumination』(2005)
『Now, Then & Forever』(2013)
LIVE ALBUM
『Live At The Velfarre』(1995)
『That's The Way Of The World: Alive In '75』(2002)
『Live In Rio』(2002)
COMPILATION
『The Best of Earth, Wind & Fire, Vol. 1』
『The Best of Earth, Wind & Fire, Vol. 2』
『The Eternal Dance』
『Dance Trax』
『Love Songs』
『The Essential Earth, Wind & Fire』
『Soul Source EARTH WIND & FIRE REMIXES』 ...and more!