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DISCOGRAPHIC M.O.S.A.D.(1)――M.O.S.A.D.を知るための13枚

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2013年12月04日 18:01

更新: 2013年12月04日 18:01

ソース: bounce 361号(2013年11月25日発行)

文/一ノ木裕之、出嶌孝次



M.O.S.A.D.を知るための13枚



ILLMARIACHI 『Tha Masta Blusta』 Pヴァイン(1997)

東京圏外のラップを広く知らしめた最初期の記念碑アルバム。HAZU(刃頭)のド直球なビートメイクと、鈍い光を放つTOKONA-Xの方言まじりのラップは後の両者のプロトタイプ。史的文脈抜きで、後のEPや刃頭ソロ作での“PXXXY”といった共演もさらに壮絶。*一ノ木

 

ILLMARIACHI 『AIMING HIGHER〜尾張ヒールズ〜』 Pヴァイン(2001)

M.O.S.A.D.の動きも全国区に届きはじめたタイミングで、唐突に出た感もあった5曲入りミニ・アルバム。ラフスケッチのようなビートがダークなリリックの緊迫感を絶妙に盛り上げている。曲名そのままのネタ使いが刃頭らしい“尾張ヒールズ”には"E"qualをフィーチャー。*出嶌

 

M.O.S.A.D. 『THE GREAT SENSATION』 NOTORIOUS/MS(2002)

プリミティヴなトラック群が、イリーガルな境界にも切り込む歌詞の数々と共にひりつく世界を現出させた、現時点で唯一のアルバム。大ネタ使いの“E.A.T.”からPHOBIA OF THUGとの“PERFECT GAME”などが続く中盤のただならぬ緊張感は、関連作中屈指だ。*一ノ木

 

TOKONA-X 『トウカイXテイオー』 Def Jam Japan/MS(2004)

このたび晴れて復刻叶った唯一のソロ・アルバム。強面なスタイルに余裕も加わった“Nexxxt Big Thing”に顕著な堂々たる風格は、当時のDef Jam Japanというレーベルの看板に応えるもの。本作未収のシングル“知らざあ言って聞かせやSHOW”も必携。*一ノ木

 

"E"qual 『Get Big "The Ballers"』 HARLEM(2004)

KEISHIのアオリ上手を強調する“Underground Cup”など、BALLERSの個々に見せ場を与えるトータルな視点はタイトルが示す通り。サンプリングなしのビートメイクをみずから推進した点も意欲的なソロ・デビュー作だ。“Ghetto Navigator”など耳に粘る佳曲多し。*出嶌

 

"E"qual 『THE ROCK CITY〜M.O.S.A.D.'s TOWN〜』 HARLEM/コロムビア(2005)

メジャー初のフル・アルバム。ストレートなエネルギーが伝わるラップをソロ・キャリア最初の頂点に、ヴァース外でのトラック上の立ち居振る舞いにも輝きを見せる。TOKONA-XとKEISHIを失った悲しみも個々に曲へと昇華し、その年のシーンを代表する一作とした。*一ノ木

 

ILLMARIACHI 『12 VIPER'S+1』 Pヴァイン(2005)

TOKONAのタイムレスな語り口に向き合って、刃頭が現在地の視点からセルフ・リミックスを施した興奮度の高いアルバム。『Tha Masta Blusta』収録曲を中心に刃頭ソロでの“PUXXXY”も交え、ドカドカと圧を強めたビートのヤバさにやられっぱなしになる。*出嶌

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