RIGHT NOW LINER(1)――M.O.S.A.D.に連なるコレクションの過去、現在、そして……
OZROSAURUS 『Dish and Dabber』 BAY BLUES/ユニバーサル(2013)
東海勢を除けば生前のTOKONA-Xともっともコラボが多かったのはMACCHOだろう。78年の横浜生まれという縁もあるが、何よりハンセン&ブロディばりの超獣コンビネーションが聴く者を圧倒してきたのは言うまでもない。なお、今作を手掛けるDJ WATARAIは『トウカイXテイオー』にも参加していた。
般若 『コンサート』 昭和レコード(2013)
後にGRAND BEATZの“New York”でTOKONAと疑似共演した際には名古屋を訪れた際の思い出を吐いていた般若。以降もM.O.S.A.D.やAKと共に声を連ねる機会は多いが、生前果たされなかったコラボへの思いは、この最新作収録の“存在”にて切実に表されている。そして彼も78年生まれ。
AK-69 『Road to The Independent King』 MS(2013)
同じ78年生まれの盟友ながら、いまなおTOKONAには〈絶対に敵わない〉と畏敬を口にするAK。みずからの初作中で“God & Blues”にTOKONAを迎えた時から、その名を忘れさせないという思いはM.O.S.A.D.メンバーと同じく強いものなのだろう。ライヴ映像などからも真摯な追悼シーンは確認できる。
RYUZO 『MESSAGE』 R-RATED(2013)
大阪のNITE OWLと絆を結び、地元の京都でMAGUMA MC'Sを結成したRYUZOも忘れちゃならないYOUNGGUNZの一角である。ソロ移行後にR-RATEDを興してフットワーク軽く世界を繋いでいった視野の広さは、M.O.S.A.D.ら仲の良い東海シーンのインディーな動きに刺激を受けた結果なのかも。
OBRIGARRD 『OBRIWORLD』 音韻王者(2011)
要所要所で名古屋の後進たちを導いてきたヴェテランDJ。もともとKEMURI PRODUCTIONSの活動も並行させていた人だけに不思議ではないが、近年はビートの世界を探求してグローカルな意識に根差してスカやファンクをヤバい音術で再構築している。最狂なヒップホップにもまた期待したいです。