RIGHT NOW LINER(2)――M.O.S.A.D.に連なるコレクションの過去、現在、そして……
DJ RYOW 『LIFE GOES ON』 MS(2012)
ENDLESS FILEのDJとして最初期からBALLERSを支え、M.O.S.A.D.のアルバムにも尽力していた敏腕トラックメイカー。傑作の誉れ高いこの最新リーダー作では“BALLERS BACK 2012”を演出し、ILLMARIACHI“PXXXY”のリミックスも世に問う。TOKONAの公式ミックスCDを2度も出せたのは彼だけだ。
ANARCHY 『ROB THE WORLD』 R-RATED(2006)
カッコいいフリーDLの最新作『DGKA』の“ENERGY DRINK”は聴いた? 生前のTOKONAと盤上でマイクを交わすまで間に合わなかったのは彼も同じだが、この初作では本人たちを招いたうえでM.O.S.A.D.“FABULOUS”を原曲超えのリメイク。ハードコアながらどこかユーモラスな表情を見せるあたりも近い。
餓鬼レンジャー 『Weapon G』 plusGROUND(2013)
ナードな趣味人っぽい見え方も強めていった餓鬼レンだが、いわゆるワルっぽいM.O.S.A.D.との共闘もしっくりハマったのは意識の底で繋がっていたから。その“GETTIN' HI 5 MIC”はこの復活ベスト盤にも当然収録。GPは『トウカイXテイオー』で“BAD若旦那〜いんだくらぶ〜”をプロデュースしていた。
G.CUE 『G.A.N.X.T.A.』 BIGG MAC(2010)
PHOBIA OF THUGでもM.O.S.A.D.と動いてきた同志なのは言うまでもないが、この現時点での最新ソロ作には、何とILL-BOSSTINOとのコラボ“真夜中の決闘”が収録されている(しかもビートは刃頭!)。BOSSがTOKONAと出会った時の話をラップし、CUEがBIG JOEの名を挙げているのも興味深い。
NATO 『13 BEATS TO DIE』 STREET OFFICIAL(2011)
WRECK SQUADからRYOWの後見するYOUNGEST IN CHARGEのメンバーに抜擢され、前後してBALLERS周辺やAK-69らの作品でも手腕を発揮しはじめたビートメイカー。この初のリーダー作ではM.O.S.A.D.を迎えた“Runnin'”をはじめ、地元愛も滲ませながら現在進行形の音を聴かせてくれている。
SOCKSMOB 『YouHateSocksMob Vol.1』 D.STEALTH BANK(2013)
YOUNGEST IN CHARGEのメンバーにして独自の動きを見せるSOCKS。謎めいたイマっぽさも備えたこのアルバムには、CITY-ACEやSTEALER、THREE-A、10C、そしてNATOら〈次世代〉と称される東海の若駒が集まっている。先達の影響を受けながらも自由に発展するモブいノリをチェックしてほしい。