TECHNO & HOUSE――(1)
もうテクノもハウスも細かいことを語るのが難しくなってきていますが、インディー方面のユースから湧き起こってきた(何度目かの)シカゴ〜デトロイト発見という流れ、あるいはポスト・ポスト・ダブステップ的な動きがおしなべて往年のR&Sなどを模範とする硬質なアンビエント〜テクノとして立ち現れてくるという時代の傾向、さらにはインダストリアル再考の動きから見た古典的なジャーマン・テクノへの憧憬……と、さまざまな方面の興味を引き寄せる求心力が古典に宿っていることを改めて思い知らされた次第。とはいえ、新世代のKMFHとかも聴いてね! *狛犬
RASMUS FABER 『We Laugh We Dance We Cry』 ビクター
ラスマス作品で馴染みのシンガーに加え、日本との関係を年々深める活動を反映し、日本アニメ界で著名な作曲家やシンガーも駆け付けた2作目。そんな人脈と重厚なビートに2013年の空気を嗅ぎ取りつつも、ラスマス印の美メロは不変! *青木
KAVINSKY 『Outrun』 Record Makers
かつて〈Dafunkfest〉で来日経験のあるカヴィンスキーの初作は、仏エレクトロが今も新鮮であることを再認識させてくれた。プロデュースがセバスチャンで、ギ=マニュエル参加の“Nightcall”も収録とあれば当然か。ダフト・パンクが復活した年のリリースというのも感慨深い。*青木
MODERAT 『II』 Monkeytown
モードセレクターとアパラットが4年ぶりに美しい再会を遂げたのは嬉しい出来事でした。叙情的なダウンテンポにチルったヴォーカル、メロウな旋律、エレクトロの意匠、そしてベースの蠢き……と、インディー好きにも刺さるはずのビートフルなウォール・オブ・メランコリア! 最高! *狛犬
TRUS'ME 『Treat Me Right』 Prime Numbers
ポスト・ムーディーマン的な存在だったマンチェスターの才人は、この3作目にしてグリッと一皮剥けた感じ。漆黒のグルーヴをテクノに刷り込んだ独自のサウンドで各シーンを横断してみせた。主宰するプライム・ナンバーズの動きも含めてディープかつ先鋭的だった。*池田
ARMIN VAN BUUREN 『Intense』 Armin Audio
ヨーロッパではビッグネームの彼も日本では一部のユーロ・トランス好きだけの認知に留まっていたのが、本作のヒットによってEDM方面にも広まったのは正常なことだと思う。持ち前の美しいメロディーにアグレッシヴなアレンジがハマった大バコ万歳な作品に。*池田
MARCEL DETTMANN 『Dettmann II』 Ostgut Ton
ムードをコンセプトにするのに飽きてしまった世界各地で、ロックンロールの3コードよろしく4/4へ猫も杓子も回帰していった2013年。彼のストイックなテクノへの姿勢は何も変わらなかったのに、より孤高の境地へ向かうためのボディーブロウは打ち続けられた。*ヌーディー
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