TECHNO & HOUSE――(2)
MATIAS AGUAYO 『The Visitor』 Comeme
ラテン・フレイヴァー薫るテクノ/ハウス、と字面だけ見れば爽やかそうだが、もちろんこの男は真逆で、強烈にストレンジなサイケ臭を撒き散らしている。クンビアの最新型とも。シーンの動向とは無縁のエスノ・エレクトロ・ファンクがとにかく痛快だった。*島田
PET SHOP BOYS 『Electric』 X2/Kobalt
メロウな作品の次はダンサブルになるのがPSBの法則だが、2013年のダンス・ミュージック・バブルに扇動されてか、トランスやエレクトロを喰らい、過去最高にバンギンなアプローチをした痛快作。大箱仕様でカヴァーしたブルース・スプリングスティーン曲もイイ! *青木
MAYA JANE COLES 『Comfort』 I/AM/ME
ダークな装いでハウス〜ダウンテンポなサウンドをクールに官能的に奏でてみせる彼女の才能は、あのファットボーイ・スリムから賞賛されたほど。〈フジロック〉や〈BEACH FESTIVAL〉にも参戦し、一瞬にして引き込まれるその独特な存在感を示した。*池田
KMFH 『Boat Party』 Wild Oats
セオ・パリッシュ、オマー・Sに続くデトロイトの新たな才能、カイル・ホール。セオパリ直系のエクスペリメンタルな音響設計としなやかな上モノはインダストリアル、ロウハウスというトレンドのさらにその先を行く優雅ささえ漂っていた。*島田
JACK BEATS 『Careless』 OWSLA/KSR
世界中のパーティーを荒らすDJユニットが、時代の寵児たるスクリレックス主宰のOWSLAからリリースした音源をコンパイル。ブリブリのベースラインを従えたエグいハウスやエレクトロがてんこ盛りで、旬なモノ同士が組んだ勢いを手に取るように感じる。*青木
HORROR INC. 『Briefly Eternal』 Perlon
9年ぶりとなる帰還作に続き、この名義での処女作を届けてくれたマーク・ルクレール。まるで90年代の興奮をそのまま解凍したかのような音響フューチャー・ジャズは時代錯誤なのか、ひと回りして現れた2回目の承認欲求か。でもその強度は耳を貸す価値あり、です。*ヌーディー
GESAFFELSTEIN 『Aleph』 Parlophone
荒ぶるノイズを纏ってタテに刻まれるビートで映画「憎しみ」を想起させながら、ファクトリー・フロアと共にインダストリアル〜ポスト・パンクというキーワードにリアリティーと確信をもたらした。自身の血にアルカや彼らという劇薬を投与して生まれたのが『Yeezus』。*ヌーディー
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