ライのふたり
現代R&Bアクトが往々にしてシャーデーにモチーフを求める、そんな趣向から生まれた屈指の傑作がライ『Woman』だ。同作はその明解なシャーデー愛によって広く聴かれたが、楽曲を制作したロビン・ハンニバルの手練はそれだけでなく、クアドロンやユナの仕事においても生音の巧みな構築として表れていたし、歌声を担ったマイク・ミロシュも、DJコーツェの客演でエレガンスを魅せたが、それは自身の過去作から一貫したものだ。ちなみに、ミロシュの最新作『Jet Lag』は前作『III』制作後に結ばれた夫人との親密さがそのまま作風に反映されているし、ロビンも〈ライはある女性に捧げたもの〉と言うし……私生活の充実はイイ仕事に直結するの?
▼関連盤を紹介。
左から、DJコーツェ『Amygdala』(Pampa)、ミロシュ『Jetlag』(Deadly)
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