ROOTSY――(1)
アデルやボン・イヴェールが大ブレイクした2011年、そしてマムフォード&サンズやブラック・キーズの活躍が目立った2012年の流れを受け、この1年もワンリパブリックがネオ・フォーク化したり、ジョン・ポール・キースがメンフィス詣でを敢行したり、シェリル・クロウがカントリー・アルバムをリリースしたり、アラバマ・シェイクスの弟分としてハウンドマウスが注目を集めたり、アメリカーナ回帰ムードは引き続き。〈ルーツィー〉というタグは、テン年代のメインストリーム音楽を語るうえでもはや必要不可欠なのです。*山西
WILLY MOON 『Here's Willy Moon』 Island
ロードを筆頭にニュージーランドからおもしろい才能が多く現れた2013年。このあんちゃんも同地の出身でした。50年代型のロックンロールやブルースの粗暴さを冷凍保存して、ヒップホップの方法論で解凍したような音と歌の破壊力たるや。ふてぶてしさが最高じゃ! *内本
JOSH KUMRA 『Good Things Come To Those Who Don't Wait』 RCA
近年、エド・シーランらラッパーとの絡みで名を上げた英国人歌手の活躍が目立ちますが、2013年はこの男。本アンビエント・ブルース・ポップ作は、アデルから続くUKらしさもドレイク以降のインドア感も備えた隙のない一枚でしたね。*山西
KACEY MUSGRAVES 『Same Trailer Different Park』 Mercury Nashville
カントリー・ウェスタンやロカビリーを詰め込んだこのメジャー進出作で、ミランダ・ランバートの座を脅かした彼女。Rolling Stone誌の年間ベストで上位につけ、グラミーでも4部門に選出されたことで、今後さらなる話題を集めそう! *赤瀧
VALERIE JUNE 『Pushin' Against A Stone』 Sunday Best
クセと味を持った声が頭にこびりつく、テネシー出身の女性シンガー。引き続き2013年も大活躍のダン・オーバックがプロデュースしたこのデビュー作での、ブルース、ソウル、カントリーを跨いでいく在り方が、柔軟なのに濃密でカッコ良かった。*内本
HANNI EL KHATIB 『Head In The Dirt』 Innovative Leisure
ダン・オーバックのプロデュースのもとで50s〜60sのヴィンテージ感を参照しながらも、現代的でスタイリッシュなガレージ・ロックに昇華してみせた一枚。だけど、決して気取ったものではなく、凄くキャッチーな感覚があって、そこに惹かれた。*吾郎
NATALIE MAINES 『Mother』 Columbia
ベン・ハーパーを迎えてノイジーにロックする姿が衝撃的! これにはジャック・ホワイトも嫉妬したんじゃない? ディキシー・チックスの盟友2人もコート・ヤード・ハウンズ名義で作品を発表したけど、攻め度でいったら断然こっちが上! 刈り上げヘアもキマッていたよ! *赤瀧
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