クラシック音楽のような、民族音楽のような、現代音楽のような、映画音楽のような、ポップスのような室内楽。これは洗練されたインテリアのような環境音楽でもあり、聴く人をリラックスさせるニューエイジ・ミュージック。1976年に英国の環境音楽のレーベルよりデビューして以来、80年代は、お洒落でお洒落な音楽として、ミュージックとして、一世を風靡。現在も音楽シーンだけでなく、アート・シーンにも多大な影響を与え続ける、ペンギン・カフェ・オーケストラが生まれ変わり、ペンギン・カフェとなって帰ってきた!
発売・販売元 提供資料(2012/05/28)
激動のパンク/ニューウェイヴ期に、慎ましやかに奇妙な室内楽を奏でていたペンギン・カフェ・オーケストラ。ブライアン・イーノや坂本龍一に愛されながらも、中心人物のサイモン・ジェフスが97年に死去したことで活動停止状態にあった彼らが、サイモンの息子・アーサーの呼びかけにより、2009年にペンギン・カフェとして復活。その体制での初作となるのが本アルバムだ。現代音楽やポップス、民族音楽にエレクトロニカなど、さまざまな音楽要素をブレンドして〈ペンギン・フィルター〉でろ過した、滋味豊かで透明感溢れるインストは父親譲りで、〈オーケストラ〉時代の面影を忍ばせつつ、その響きは瑞々しい。最近のポスト・クラシカルな音とはひと味違った、軽やかな実験精神が魅力。
bounce (C)村尾泰郎
タワーレコード(vol.346(2012年7月25日発行号)掲載)
昨年は新国立バレエ公演で話題に上る事も多かったペンギンカフェだが、往年のファンには非常に嬉しいニュースが舞い込んできた。サイモン・ジェフスの子息アーサー・ジェフスが自主レーベル【ペンギン・カフェ】を立ち上げ新作をリリースしたのだ。今後は旧録音のりマスタリングなども予定されているという話なので本作以降の新録ももちろん待ちたい所だがその活動から目が離せそうにない。ミニマルミュージック、民族音楽、現代音楽など様々な音楽を取り入れた、革新的ながらもとてつもなく心地よい唯一無二のスタイルで‘76年にデビューしたペンギン・カフェ・オーケストラだが、本作を聴くと音楽スタイルは父サイモン・ジェフスが残した偉大なる軌跡をそのまま踏襲している。ペンギン・カフェの音楽は時代によってアップデートして行く必要は無いのかもしれない。緩やかにかつ凛としたその立ち振る舞いはその時々で受容のされ方は変われど、もはや普遍的な存在であり、それぞれの時代でこれからの未来も聴く人を安堵させて行く事だろう。
intoxicate (C)池田敏弘
タワーレコード(vol.90(2011年2月20日発行号)掲載)