稀代のマルチ・エンターテイナー、ジャスティン・ティンバーレイクの7年ぶり(2013年時)となるアルバム。ティンバランドとの黄金コンビで制作され、ジャスティンをセクシーたらしめる象徴でもあるスタリッシュなファルセット・ヴォイスにジェイ・Zのラップが絶妙に絡むグルーヴィーかつソウルフルなR&Bトラック「スーツ・アンド・タイ」他を収録。 (C)RS
JMD(2013/04/23)
グラミー6冠、そしてエミー2冠の受賞歴を誇るミュージシャン、ハリウッド俳優、実業家と様々な顔を持つアメリカ・エンターテインメント界きってのスーパー・エンターテイナー=ジャスティン・ティンバーレイク。1000万枚を超える大ヒットを記録した前作『フューチャー・セックス/ラヴ・サウンズ』(2006年作・全米1位)のリリース後、音楽活動と平行して行っていた俳優業も完全に軌道に乗り、音楽から映画へ重点をシフトしていたジャスティンが、7年ぶりに音楽界にカムバック!! 先行で配信されたニュー・シングル『スーツ・アンド・タイ feat. ジェイ・Z』は7年ぶりにティンバランドとの黄金コンビで制作され、ジャスティンのスタリッシュなファルセット・ヴォイスにジェイ・Zのラップが絶妙に絡むグルーヴィーでソウルフルなR&Bトラック。全くの事前告知もなく1月14日深夜に発表されたこのシングルは、世界31カ国のiTunesチャートで1位を獲得し、彼の復帰の衝撃の大きさと期待値を物語る記録になっている。
発売・販売元 提供資料(2013/02/14)
見えざる統一ルールのようなものがあるとして、その上で覇を競い合う様子もエキサイティングだが、たまにルールブックを勝手に書き換えようとする奴が出てくるから、この15年ほどのUSメインストリーム・ポップはおもしろい。ジャスティンもティンバランドもずっとそうしてきて、いままたそうしようとしている。善し悪しの話じゃないが、"Suit & Tie"のあつらえた音像は、ドラッギーな音色に慣らされた耳にも薫り高いアルコールのように響くものだったはずだ。中盤のスウィートでスティッキーなソウル・パートに辿り着く頃には、多くの大人(年齢の話ではない)が成熟した酔いを経験することだろう。決定的なヒットに恵まれていないティンバにとっても起死回生の一撃となるだろうが、それより何より圧倒的な傑作!
bounce (C)轟ひろみ
タワーレコード(vol.353(2013年3月25日発行号)掲載)