フォーマット |
CD |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
国内 |
パッケージ仕様 |
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発売日 |
2013年08月14日 |
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規格品番 |
TOCT-29185 |
レーベル |
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SKU |
4988006239784 |
構成数 | 1枚
合計収録時間 | 00:31:00
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しばしの営業休止期間が明けて以降、日に日にざわめきが増していった赤い公園界隈。リーダーの津野米咲がSMAPのシングル"Joy!!"を書き下ろしたというのも大きなトピックではありましたが、そんななか満を持して届けられたのが初のフル・アルバム『公園デビュー』。ここには、メジャー・デビュー以前から作られていた楽曲もいくつか収録されており、ダークサイドとポップサイドに振り分けた昨年のミニ・アルバム2作とは趣が異なる、いわば赤い公園の〈これまで〉をノンコンセプトで放り込んだものです。とはいえ、いわゆるバンド・サウンドの範疇から逸脱した自由な着想から形作られていく楽曲群、そこから匂い立つ特異性と意外なまでの人懐っこさは、彼女たちのメインカラーとして図らずともくっきり浮かび上がっているわけで。なかでも、赤い公園版"Hey Jude"と呼びたくなるような大曲感がハンパない"交信"、郷愁を誘うピアノ・バラード"体温計"、(赤い公園にしては)シンプルなバンド・サウンドのなかで情感豊かなメロディー・センスを際立たせた"もんだな"、活動休止中に作ったというメロコア・バンド勝りのアグレッシヴな2ビートを聴かせる"カウンター"、そして一発録りのスリリングなセッション"くい"など、キャラクターの領域を押し広げた最近のナンバーがやはり聴きどころでしょう。徐々に目新しい遊具を設けていくこの公園には、まだまだ人が集い、憩うことだろう……と思わせて止まない作品です。
bounce (C)久保田泰平タワーレコード (vol.358(2013年8月25日発行号)掲載)
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名刺代わりにしては鮮烈すぎたメジャー・デビュー盤『透明なのか黒なのか』、そして『ランドリーで漂白を』という2枚のミニ・アルバムに続き、赤い公園の初フル・アルバム『公園デビュー』がついにドロップされた。すべての作詞/作曲、そしてプロデュースを一手に担うバンドの要・津野米咲(ギター)による、予測不能なコード進行とどこか白昼夢を思わせる不思議で耳に残るメロディー、時にシュール、時に素直に紡がれる詩情豊かな歌詞、そしてその世界観を完璧に体現する各メンバーの巧みなテクニック--良い意味で異質な音楽性と佇まいで話題を集めてきた彼女たちのことを、2010年代きってのニュータイプと一目置くリスナーも多かったはずだ。そんな、ますます注目を浴びるなか差し出されたこの新作は、どんなにストレンジにひねくれようと、ハードに振り切れようと、着地点を〈ポップ〉に定めているからこそ鳴らすことのできる、いわゆるロックという言葉の枠には到底収まらない自由奔放な音で溢れている。唸りを上げる太いベースラインにソリッドなギターが暴れる、ドライヴ感満点なダンス・チューン"のぞき穴"、佐藤千明の品の良い歌声にモールス信号や行進曲を思わせるミニマルなリズムがトリッキーに融合した"交信"、そして童謡タッチの美しいメロディーに乗って佐藤以外のメンバーが合唱風に歌う前半から一転し、胸をえぐるように激しいバンド・アンサンブルで怒濤の展開を見せるラスト"くい"―ヒリヒリとした緊張感と女性ならではのしなやかさが絶妙に混ざり合う、独特の空気感がたまらない最高の一枚だ!
bounce (C)aokinokoタワーレコード (vol.358(2013年8月25日発行号)掲載)