全米でも日本でも大ヒットしたアメコミ映画の傑作が早くもソフト化！ この映画、キャラクターの設定等変更を会社に求められた為、監督マシュー・ヴォーンが資金調達して完成にこぎつけた〈自主映画〉でもある（譲らなかったヴォーン偉い！）。ボンクラがボンクラのままヒーローになるという〈現代的〉なストーリーのカタルシス！〈ヒーローもの〉というジャンルが孕む狂気を黒い笑いと残酷さでまぶす、そのさじ加減が絶妙だ。『バッド・ルーテナント』に続きニコラス・ケイジが壊れまくりで絶好調だが、そのケイジをも喰ってしまっているのがクロエ・モレッツ扮するヒット・ガール！ 下品な言葉を吐きながら驚くべきスピードで敵をぶち殺して行く勇姿！学生服姿で『夕陽のガンマン』のテーマ曲をバックに敵のアジトに討ち入るシーンにボンクラは昇天必至！ 批評性を持ちつつも、〈ヒーローもの〉の歴史を更新してしまった傑作を前にして、『スパイダーマン3』のサム・ライミはさぞかし悔しい思いをしているはずだ！
intoxicate (C)高野直人