2013年に発表したミックステープ『Cut 4 Me』以来、アルカの参加も話題となったEP『Hallucinogen』やソランジュやゴリラズの客演などで注目を集め続けるケレラから長らく待たれていたデビューアルバムが遂に到着。90年代R&B風味ながら、更にその先を見据えたサウンドと"ポスト・アリーヤ"と言われる甘美な歌声は往年のR&Bファンにも刺さること間違いなし。
タワーレコード(2017/10/12)
2013年に発表されたミックステープ『Cut 4 Me』が話題を呼び、世界中のメディアで"ポスト・アリーヤ”として一躍大きな注目を集めたケレラ(Kelela)が、ついに待望のデビュー・アルバム『Take Me Apart』のリリースを発表!『Cut 4 Me』リリース後、誰もがアルバムを待ち望む中、オリジナル作品としてはシングルとEP作品『Hallucinogen』をリリースしただけだったが、『Hallucinogen』に収録された「Rewind」が、ニューヨーク・タイムズ紙の"これからの音楽の方向性を感じさせる25曲”に選出されるなど、再び話題に火がつき、ザ・エックス・エックスとのワールドツアー、ソランジュ『A Seat At The Table』や、ダニー・ブラウン『Atrocity Exhibition』、そしてゴリラズ『Humanz』への客演など常に注目を集めてきたケレラ。さらにかねてよりビョークがその才能に惚れ込んでいることも知られており、自身のSNSで度々ケレラを賞賛している。なお、国内盤CDには、賞賛を集めた『Hallucinogen』から、アルカがプロデュースした「A Message」と、キングダム、ガール・ユニット、オベイ・シティら新鋭プロデューサーがプロデュースした「Rewind」がボーナストラックとして追加収録される。これら2曲がCDに収録されるのは初となる。
「このアルバムは個人的な記録だけど、わたしのアイデンティティの政治的な背景が、どんな音にするとか、わたしの脆さや強さをどう表現するのかということを特徴づけているの。わたしは黒人女性で、エチオピア系アメリカ人の移民二世で、R&Bやジャズやビョークを聴いて郊外で育った。そういったすべてが、いろいろなところに表れているわ」- Kelela
全世界待望のデビュー・アルバム『Take Me Apart』は10月6日 (金) に世界同時リリース!国内盤には、上記ボーナストラックに加え、解説書と歌詞対訳が封入される。
発売・販売元 提供資料(2017/08/23)
2013年のミックステープと2015年のEPでFKAツイッグスやSZAらと並び称されアンビエントに尖っていた才女が、ソランジュやダニー・ブラウン、ゴリラズとの共演を経て放つ初アルバム。再タッグとなるジャム・シティとアルカを中心に、アリエル・リヒトシェイドやボク・ボク、クウェスらが制作に関与し、数曲でケルシー・ルーがチェロを弾いた本作でも、アリーヤを彷彿とさせる先行曲"LMK"やデスティニーズ・チャイルド風の"Frontline"など2000年前後のR&Bをリマインドさせながら〈ジャズやビョークも聴いて育った〉という背景を滲ませる。サイバーな表題曲や往時のネプチューンズにも通じる"Truth Or Dare"のように、インダストリアルなビートに人間臭い声を絡め、ミニマルだが雄大という相反する要素の両立は破格のカッコよさ。ピノ・パラディーノが隠し味的にベースを弾いた無重力系バラード"Better"などを聴くと、オルタナティヴではなく、いまや彼女の音楽が現行R&Bの王道となったことを実感する。
bounce (C)林剛
タワーレコード(vol.407(2017年9月25日発行号)掲載)