2019年10月リリース当初に細野晴臣のラジオ番組「Daisy Holiday!」でオンエアされ、桑田佳祐も約1年後2020年に自身のラジオ番組「桑田佳祐のやさしい夜遊び」で愛聴している旨をコメント、店頭でも異例のロングセラーを続けている真の良作。現行米国ロックの気鋭バンド"レイク・ストリート・ダイヴ"ヴォーカル、レイチェル・プライスが、学生時代の友人ヴィルレイのギターとコーラスのバッキングとを中心にリラックスしたムードでジャズを唄う(ジャケットの通り!)サイドプロジェクト。レイチェルのスモーキーでブルージーなヴォーカルと小粋なバッキング、オールドタイムなアメリカンミュージックが醸し出す古い映画のような懐かしさに魅了されます。
TOWER
タワーレコード(2020/10/29)
【絶品】ノンサッチ発ノスタルジックなJAZZヴォーカル傑作!
ルーツ音楽志向の米ロックバンド<レイク・ストリート・ダイヴ>のVo.レイチェル・プライスの新ユニットでギタリスト/シンガー/作曲家ヴィルレイとのヴィンテージなジャズヴォーカルスタイルのデュオ作。レイチェルのナチュラルボーンハスキー&スモーキーヴォイスとヴァルレイの洒脱なギターとウォームな歌声が醸し出すブルージーでスウィンギーなムードが極上のリラックスタイムを演出。
(C)新宿店:村越 辰哉
タワーレコード(2020/01/24)
歌って良し、演奏して良し、コーラスも良し、ボーダーレスでノンジャンルなマルチ・ミュージシャン集団"レイク・ストリート・ダイヴ"のメイン・ヴォーカルを務めるレイチェル・プライスの新たなプロジェクト、それがギタリスト/シンガー/作曲家であるヴィルレイとのデュオ・アルバム『RACHEL&VILRAY』である。まるでどこかの中古レコード屋の片隅でずっと眠って忘れ去られていたような、懐かしくも普遍的な魅力溢れるジャズ・ヴォーカル・プロジェクトである。
二人の出会いは、2003年に遡る。ニューイングランド音楽院の生徒だった二人は、バンド活動を通して知り合ったという。当時、ヴィルレイは後にレイク・ストリート・ダイヴのメンバーとなるマイケル"マックダック"オルソンとマイケル・カラブリースと共にバンドを結成していた。レイチェル曰く、その当時からヴィルレイは素晴らしいソングライターだったと語る。しかし、学生だった頃には、二人とも同じ時代のジャズ音楽に興味をもっていたことには気づかなかったという。レイチェルはこう語る。「学校に入る前から大好きだったんだけど、学校ではみんな、まだ私が聴いたことのなかった、アヴァンギャルドやフリージャズばかり聴いていた。だから、トラディショナルなジャズが好きなことを隠していたの。彼がそれを完璧に弾くことができるとは、全然知らなかったわ」(1/2)
発売・販売元 提供資料(2019/09/06)
そんな二人が共演することになったのは、学生時代から10年以上も経った頃。レイチェルはレイク・ストリート・ダイヴのメンバーとして一年の多くをツアーで費やしており、ヴィルレイはヴォーカルとギターだけのソロ・アーティストとして活動を始めていた。ニューイングランド音楽院を卒業してから、作曲としての仕事をしていたものの、パフォーマーとしてはステージから遠ざかっていた時期があった彼は、アルバイトで指を怪我したことを切っ掛けに、友人の勧めによりブルックリンにあるBar Below Ryeで演奏するようになった。そして2015年のある晩、レイチェルが彼と一緒にステージにたったのだ。とても感動的なショウだったと、彼女が振り返るそのライヴで、ヴィルレイは古き良き時代のジャズ・ナンバーを演奏していた。1930年代から40年代のビッグバンド時代のシンガーに憑りつかれていたものの、この時代の楽曲を歌ったことがなかったレイチェルは、すっかり心奪われ、次に彼がステージに立つときに一緒に歌えないかと聴いたという。そして次のライヴで、レパートリーに1曲のオリジナルをこっそり混ぜたところから、今回のプロジェクトが生まれたのだった。ヴィルレイはコンスタントに彼女に自分の楽曲を送るようになり、1930年代~40年代のマニアックなジャズ・ナンバーに彼の曲を混ぜ込むところから、
「スタジオに入るまで少し時間がかかってしまったけど、待ったかいがあったわ」そうレイチェルは語る。「その年の内に何曲かレコーディングしようと思ったんだけど、色々と音的探求が必要だと気付いたの、ここにある曲がどんな風に聴こえるべきか、それをちゃんと考えるべきだとね。ツアーを何回かやって、色々なスタイルやテンポで演奏して、観客の反応を見た後に考えた方がよっぽどいい形になると思ったの。とても大事なプロセスになった」 ステージではマイクとギターだけで演奏していた二人だが、スタジオではキーボードにBermiss、ベースにTony Scherr、ドラマーにJason Burgerを迎え、さらにはレイク・ストリート・ダイヴのアルバム『FREE YOURSELF UP』のプロデューサーとエンジニアを手掛けたDan KnoblerとJacob Rex Zimmermanがホーン・セクションをアレンジし、サウンドに大きな幅を持たせることが出来た。1日のリハーサルの後、メンバーはブルックリンにある小さなスタジオ、FIGURE8に集まり、スタジオ・ライヴ形式でレコーディングを進めていったという。その結果、ライヴならでは生き生きとしたエネルギーとミュージシャン同士の音楽的やりとりから生まれたケミストリーがアルバムに捉えられている。
レイチェルとヴィルレイのセルフ・タイトル・アルバム『RACHEL & VILRAY』で二人は、"アメリカン・ソングブック"に新たな一頁を加えるだろう。未来のスタンダード・ナンバー候補が一杯詰まった傑作の誕生である。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2019/09/06)
古くて恐縮。一聴、なんとなくフェアグラウンド・アトラクションを思い出した。モノクロのジャケもアーウィットのあの甘いジャケを思い出させた。それぞれのソロ活動を経てこれがデビュー・アルバムとなる米人デュオ。モノラルかと思わせる造形に仕上げたサウンドが秀逸。ドライな空間をジャズ・エイジの幸福でグルーミーな音楽が濡らす。ハワイを経由して回帰したオールディーズというと妙か、ウエスタン・スウィング的なスタイルも聴こえてくる。アルゴリズム的にはMoon Childも関連アーティストらしい。Punch Brothersに続きNonesuchが仕掛ける注目のポップ・デュオ。
intoxicate (C)高見一樹
タワーレコード(vol.144(2020年2月20日発行号)掲載)