<収録曲解説>
<DISC-1>
01. I.G.Y. / Donald Fagen
ドナルド・フェイゲンがスティーリー・ダンの活動休止後、初のソロ作として82年に完成させた『The Nightfly』のオープニングを飾った一曲。名手達による演奏を練りぬかれたバランスで配しアーバンな音像を紡ぎ出す、AORを象徴する名曲のひとつ。
02. Just The Two Of Us / Grover Washington, Jr.
〈クリスタルの恋人たち〉という邦題が似合う、煌めく情景を表したグローバー・ワシントンJr.による81年の大ヒット・アルバム『Winelight』の代表曲。全米チャート2位を記録。
03. MORNIN' / Al Jarreau
ジャズ、ポップ、R&Bの3部門にまたがってグラミー賞を獲得した最初の個人アーティストである名ヴォ―カリストのアル・ジャロウ。これは83年に発表した『Jarreau』に収録されている究極のAORソング!
04. STEAL AWAY / Robbie Dupree
ロビー・デュプリーは80年のこのデビュー曲がいきなり全米6位のヒットに結び付き、グラミー最優秀新人賞にもノミネート。きらめく音に乗せて〈二人でこっそり抜け出さないかい〉と優しく歌う、甘くポップな名曲。
05. TAKE ME TO YOUR HEAVEN / Wilson Bros.
ウィルソン・ブラザーズ唯一のアルバム『Another Night』は聴きどころ満載の名曲揃いだが、中でもこの曲は、こみ上げるようなサビの旋律とギター&ストリングスのアレンジが素晴らしく、ラストまで爽やかに盛り上がっていく。
06. Stronger Love / Le Blanc & Carr
マッスル・ショールズのセッション・ギタリストだったピート・カーが、旧友レニー・ルブラン(Vo)と組んだデュオ。AORとサザン・ロックの融合と言える、少しだけ泥臭くアーシーな表情が魅力的な、爽やかメロウ・ソウル・チューン。
07. Lotta Love / Nicolette Larson
ウエスト・コーストのキュートな歌姫、ニコレット・ラーソンのデビュー作の幕開けを飾ったこの曲は、ニール・ヤングが同年に発表した曲のカヴァーで、シングル・カットされて全米チャート8位まで上昇するヒットとなった。
08. IT'S THE FALLING IN LOVE / Carole Bayer Sager
デヴィッド・フォスターとの共作による心弾む旋律とアレンジはまさにエヴァ―グリーン。マイケル・ジャクソンやディー・ディー・ブリッジウォーターがカヴァ―したことも、曲そのものの素晴らしさの証明になるだろう。
09. Midnight At The Oasis / Maria Muldaur
多彩なジャンルを横断しながら現在も活動しているNY出身のシンガー・ソングライター、マリア・マルダーの評価を決定づけた73年の名曲。当時の全米チャートで5位を記録。
10. BIGGEST PART OF ME / Ambrosia
全米3位を獲得したアンブロージアのビッグ・ヒット曲で、作詞作曲を務めたデヴィッド・パックの才能が開花するとともに、その歌声も冴え渡った名スロウ。
11. WHO'LL BE THE FOOL TONIGHT / Larsen-Feiten Band
ギタリストのバジー・フェイトンとキーボーディストのニール・ラーセンが結成したバンドによる初アルバムのオープニング曲。フュージョンとAORの狭間を行き来する境界線上のサウンドが玄人好みだ。(1/4)
発売・販売元 提供資料(2019/11/20)
12. MARINA DEL REY / Marc Jordan
ジャジーな落ち着きを持つ曲調のなかに、スティールパンとマリンバのカラフルな音色を散りばめてトロピカルなムードを演出、はしゃぎすぎずにオトナのリゾート気分を盛り上げてくれる良曲だ。スティーリー・ダンに関わったゲイリー・カッツのプロデュースで、ドナルド・フェイゲンやラリー・カールトンも参加。
13. GOOTA GETO BACK TO LOVE / Bill Champlin
デヴィッド・フォスターが手掛けた81年の2作目『Runaway』に収録されたこの曲は、ビル・チャンプリンの美声が際立つAORバラード。
14. I JUST CAN'T LET GO / David Pack
アンブロージアのデヴィッド・パックがソロになって放った85年のアルバム『Anywhere You Go』の人気バラード。マイケル・マクドナルドとジェイムス・イングラムという強力なシンガーふたりが脇を固めている。
15. SEND A LITTLE LOVE MY WAY (LIKE ALWAYS) / Stephen Bishop
スティーヴン・ビショップが80年に発表した3作目のアルバム『Red Cab To Manhattan』は、NYを舞台にした都市生活の短編小説集のような構成になっており、その中でもこのスロウはホッとするようなハートウォーミングな聴き心地に満ちている。
16. SAILING / Christopher Cross
AORを代表するどころか、80年代音楽シーンの代表だったのがクリストファー・クロスの『Sailing』。全米1位に輝き、グラミー賞史上初の主要4部門を制覇するという桁違いの成功を収めた。
17. THE LADY WANTS TO KNOW / Michael Franks
AORにジャズやボサノヴァのエッセンスを持ち込み、インテリジェンスを感じさせるウィスパー・ヴォイスで小粋に歌うマイケル・フランクス。この曲は77年の代表的傑作『Sleeping Gypsy』からで、木漏れ日のように降り注ぐサウンドはソフト&メロウの極みと言うべき。
18. DO THE BOSSA NOVA / Vapour Trails
小林克也氏のTV番組、ベストヒットUSAのテーマ曲として知られる"Don't Worry Baby(邦題: サーフサイド・フリーウェイ)"と同じアルバムに収録されている、もうひとつの名曲がこれ。弾むようなミッド・テンポと明るいシンセが心地よい。
19. MIDNIGHT RENDEZVOUS / DAVID ROBERTS
曲名通りに〈深夜の出逢い〉を連想させるような、甘く蕩けるようなラブ・ソング。スティーヴ・ルカサーとジェフ&マイク・ポーカロが参加しており、TOTOファンにも外せない。
20. Dance With Me / Orleans
コーラス・ワークやノスタルジックなピアニカの音色も含めて、アメリカのロード・サイドで迎える夕暮れを思わせるような、切ない情感を漂わせた名曲。
<DISC-2>
01. WHAT CHA'GONNA DO FOR ME / Chaka Khan
その伸びやかな熱唱が多くのフォロワーを生んだ名シンガー、チャカ・カーン。この曲は、燃え滾るようなチャカの豪快ヴォーカルと、マイケル・ブレッカーのテナー・サックス・ソロのカッコ良さが押し寄せる最強の一曲だ。
02. PLEASE DON'T LEAVE / Lauren Wood
女性AORアーティストとして高い人気を誇るローレン・ウッドの人気曲。マイケル・マクドナルドのコーラスをフィーチャーし、都会的なクールネスを振りまいている。(2/4)
発売・販売元 提供資料(2019/11/20)
03. TICKETS TO RIO / Brian Elliot
どこかトロピカルでリラックスした聴き心地が素晴らしいこの曲は、ブライアン・エリオットの78年唯一のアルバム『Brian Elliot』に収録。バックにはラリー・カールトン、リー・リトナー、ジェフ・ポーカロ、J・グレイドンといったLAの名手が揃っており、ジェントルでスウィートな歌声をサポート。
04. Break The Chain / Jim Messina
ジム・メッシーナのソロ2作目『Messina』に収録されている一曲。フュージョンに近い軽やかな楽曲が、自身による小気味良いギタープレイと抜群にマッチし、そこに心躍るラテン・タッチなサウンドを塗すという最高の組み合わせが堪能できる逸品。
05. WHY I CAME TO CALIFORNIA / Leon Ware
ソウル・ファンの間では〈メロウ大王〉または〈愛の伝道師〉なる異名を誇るリオン・ウェア。TOTOのリズム隊が参加し、デヴィッド・フォスターもペンを交えたAOR寄りの内容で、マンハッタン・トランスファーの女性ヴォーカルであるジャニス・シーゲルとデュエットした、アーバン・メロウの極みと言えるダンス・ナンバー。
06. Whachersign / Pratt & Mcclain
フリーソウルのコンピで取り上げられた事により日本で人気を得た一曲。元々はアメリカのテレビ番組のサウンドトラックのB面ラスト近くにひっそり収録されていた曲だが、極上のブルーアイド・ソウルの輝きは今も色褪せない。
07. I KEEP FORGETTIN' / Michael McDonald
82年のポップチャート4位を記録したマイケル・マクドナルドのこの曲は、洗練されたサウンドにスモーキーな歌声が映えるメロウ・ソング。90年代西海岸ヒップホップの代表曲、ウォーレン・G"Regulate"でサンプリングされたことで後の世代にもおなじみ。
08. IT'S SOMETHING / Brenda Russell
AORに通じる洗練されたムードと麗しい歌声、そして高いソングライティング能力を持つブレンダ・ラッセル。トミー・リピューマがプロデュースし、デヴィッド・フォスターが共作とアレンジを手掛けたこの曲も、邦題通りに大人同士の〈出逢いのときめき〉を感じさせるソフィスティケイテッド・ソウルだ。
09. TOO YOUNG / Crackin'
都会派のファンク/ソウルをLAの心地よい風に乗せ届ける、白黒混成の大型グループであるクラッキン。マイケル・オマーティアンのプロデュースによるアーバニズムあふれる音楽性は78年当時には早すぎたかもしれないほどの完成度だ。
10. Dream On / Leslie Smith
クラッキンのレスリー・スミスの初ソロ作に収録されている一曲で、少しの哀愁を携えた楽曲とレスリーの滋味あるヴォーカルが心に染み込むアーバン・ソウル屈指の良曲。
11. DON'T HANG UP THOSE DANCING SHOES / Terence Boylan
テレンス・ボイランの2作目の幕開けを飾ったこの曲は、軽やかな西海岸サウンドの上で大らかなメロディを歌う様が瑞々しく、ドナルド・フェイゲン、チャック・レイニー、ディーン・パークスらがバックアップしている。(3/4)
発売・販売元 提供資料(2019/11/20)
12. ON THE BEACH / Chris Rea
当時クルマのCMでも使われた一曲で、オトナのリゾート感漂うサウンドに乗せてビターな低音ヴォイスを届けてくれる、シャーデーあたりと同じムードを持つアダルトなポップ・ソング。
13. GET USED TO IT / Roger Voudouris
ロジャー・ヴードリスが79年に発表した2作目のアルバムに収録されている一曲で、キャリア最高位となる全米シングル・チャート21位のスマッシュ・ヒットを記録した。爽やかなポップ・ロック系の佳曲。
14. KEEP A LIGHT ON / Maxus
当時スタジオ・ミュージシャンとして活躍していた5人のスペシャリストをワーナーが結集させ、TOTOに対抗すべく放ったプロジェクトの唯一のアルバム。ハード・ロック寄りの楽曲がメインの中、このスロウ・バラードは特に光っており、ジャジーなピアノを筆頭に美しい音色が詰め込まれている。
15. You Might Need Somebody / Turley Richards
ランディ・クロフォードやショーラ・アーマがカヴァーした"You Might Need Somebody"のオリジナル・ヴァージョンを歌っていたのがこのターリー・リチャーズ。渋みと哀愁を帯びたブルーアイド・ソウル寄りのAORだ。
16. Cool Breeze / The Jeremy Spencer Band
当時のトレンドを汲み取ったディスコAORといった内容の79年発表作『Flee』。そこに収録されたこの"Cool Breeze"は曲名とは裏腹に、どこかブルージ―でしっとりしたAORになっている。
17. I DON'T WANNA GO / Bruce Roberts
〈第二のバート・バカラック〉との呼び名も与えられたブルース・ロバーツが、キャロル・ベイヤー・セイガーと共作した名バラード。練り上げられた優しいメロディが際立っている聴くたびに穏やかな気持ちになれる逸品。
18. THE BEST OF ME / David Foster
今に至るまで影響を及ぼす普遍のアダルト・コンテンポラリー・サウンドを形作ったデヴィッド・フォスターの初ソロ・アルバムから。オリヴィア・ニュートン・ジョンの可憐なヴォーカルに流麗なピアノを寄り添わせ、ロマンティックかつダイナミックなアレンジを施し感動をもたらす職人技には感嘆しきりだ。
19. MORE THAN YOU'LL EVER KNOW / Michael Ruff
マイケル・ラフの名を高めた名バラード。ピアノだけをお供にして切々と愛を語りかける、甘美でメロメロな音世界に耽溺されたし。
20. NOTHING'S GONNA CHANGE MY LOVE FOR YOU / George Benson
親しみやすい大らかなメロディとブラコン・フィーリングの相性が良い、ジョージ・ベンソンが歌う王道ラヴ・バラード。09年のディズニー映画「カールじいさんの空飛ぶ家」の挿入歌に使われたことで、若い世代の結婚式BGMの定番にもなっている。(4/4)
発売・販売元 提供資料(2019/11/20)
2019年6月にタワーレコード日本進出40年という節目を記念し発売、好セールスとなった『NO MUSIC, NO LIFE. TOWER RECORDS 40th ANNIVERSARY』の続編が登場!
今作『NO MUSIC, NO LIFE. TOWER RECORDS 40th ANNIVERSARY -AOR EDITION-』は、日本をはじめ世界的にリバイバルヒット中のAOR人気楽曲をタワーレコードバイヤーがセレクト!AORの定番曲、人気曲を中心に40曲収録。洋楽好きの方はもちろんAOR入門編としても最適。
カバー・イラストレーション:永井博
発売・販売元 提供資料(2019/11/12)