11年ぶりのショパンの協奏曲録音は、弾きぶりによる、ユンディ渾身の演奏!
2000年「第14回ショパン国際ピアノコンクール」に参加したユンディ・リ。1985年にスタニスラフ・ブーニンが第1位を獲得して以降、1990年、1995年と第1位優勝者が出なかったこのコンクールにおいて15年ぶりの優勝(最年少)を獲得、また中国人として初の第1位優勝者としても大変な話題となり、その爽やかな容姿から「中国のキムタク」と称され、日本でも大人気を獲得しました。優勝後はドイツ・ハノーファー音楽大学で更なる研鑽を積み、音楽性に磨きをかけるも、最近はCDの発売も滞っており、ファンをやきもきさせていたのではないでしょうか?
そんなユンディの久々のアルバムが、ワーナー・クラシックに登場します。収録曲はショパンの2つのピアノ協奏曲。それも彼自身がワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮しての弾きぶり演奏!というスペシャルな1枚です。
実は、彼は2017年からワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してショパンの協奏曲を演奏、好評を博し、ワルシャワと中国各地のツアーを行ってきましたが、いよいよその演奏がアルバムとしてリリースされることになりました。もともと、「超絶技巧を用いガンガン弾きまくる」というタイプではなく「曲の奥深くまで分け入り、抒情性を大切にしながら詩的な演奏をする」彼らしく、オーケストラを自在に操りながら、思うがままに独自の世界を描きだしていきます。この良く知られた2曲でも「こんなに美しい部分があったのか」と思わず感嘆する箇所がいくつもあり、さすがショパンの心を伝えるピアニストとして賛美されるにふさわしい仕上がりです。ワーナー・クラシック(旧EMI)からは2010年に「ショパン:夜想曲全集」をリリースしたユンディ、10年ぶりのアルバムからは、熟成した音楽があふれ出しています。
ワーナーミュージック・ジャパン
発売・販売元 提供資料(2020/02/26)
ユンディ・リターン 日本の音楽ファンのハートをつかんだユンディがショパンの協奏曲でワーナークラシックス・デビュー。2000年のショパン・コンクール第1位、現代で最も称賛され注目されるピアニスト、ユンディが2019年ワーナークラシックスと新たに長期の専属契約を締結。その第1作は、自身初のピアニストと指揮を兼務して、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団とのショパン:ピアノ協奏曲第1番、第2番。 (C)RS
JMD(2020/02/25)
ユンディ・リ久々の新アルバムは、ワルシャワ・フィルを弾き振りしたショパンの2つのピアノ協奏曲。ショパンのコンチェルトというと耳にする機会の多さゆえ、演奏によっては食傷気味になることもある作品だが、この盤にそのような心配は無用。ほかのどの作曲家よりもまず先にショパンの名を想起させるピアニストとオーケストラだけに、その演奏は正統かつ、非の打ち所がないものとなっている。あらゆるパッセージが音の粒すら感じさせないほどに滑らかに、自然に紡がれてゆき、それがショパンの淡いロマンティシズムと相まって、聴き手の没入感を高めてくれる。緩徐楽章での心を揺さぶる表現力も見事。
intoxicate (C)桐島友
タワーレコード(vol.144(2020年2月20日発行号)掲載)