ブッカー・T&THE MG'S結成時のメンバーであり、スタックス・レーベルでオーティス・レディングやウィルソン・ピケットなど数多くのアーティストの楽曲に参加し、ブルース・ブラザーズの創設メンバーでもある、史上最高のソウル・ギタリストの一人、スティーヴ・クロッパー。その彼が何と1967年以来となる"スティーヴ・クロッパー"のソロ名義で新たなスタジオ・アルバムを完成!本物のソウルとグルーヴがここにある!!アナログLPも同時発売!!!
ブッカー・T&THE MG'S結成時のメンバーであり、スタックス・レーベルでオーティス・レディングやウィルソン・ピケットなど数多くのアーティストの楽曲に参加し、ブルース・ブラザーズの創設メンバーでもある、史上最高のソウル・ギタリストの一人、スティーヴ・クロッパー。その彼が何と1967年以来となる"スティーヴ・クロッパー"のソロ名義で新たなスタジオ・アルバムを完成させた。
スタジオからステージ、さらには銀幕のスクリーンまで、ありとあらゆる場でギタリストとして、またプロデューサー、ソングライターとしてアメリカン・ソウル・ミュージックの歴史のあちこちで活躍してきた彼だが、今回リリースとなる、彼にとって通算12作目のスタジオ・アルバムとなる『FIRE IT UP』は、彼のまた新たな面をのぞかせる1作でもある。 「このアルバムは、これまで出ているどの作品とも異なっている」そう語るのはスティーヴ本人だ。「古いグルーヴが溢れているが、これはロックダウンの間、頭のなかに何年もあったものをいじっていた」彼は思いついた歌詞やギター・リフを後で使うためにファイルに保存したりはしないが、ずっと頭の中に浮かんでるそうで、いつでも取り出せるという。今作『FIRE IT UP』のきっかけとなったのは、今から遡ること10年ほど前のフェリックス・キャバリエとのセッションだったという。二人は、スティーヴ・クロッパー&フェリックス・キャバリエ名義で2枚のアルバムをリリースしたが、そのどちらの作品にもぴったりとこなかったものの、最高のグルーヴを捉えたトラックがあり、それをプロデューサーのJon Tivenがずっと保管していたという。そしてある時、そのJonがこれらを引っ張り出し、"これ結構いいよ"とスティーヴに連絡をしたという。そこからスティーヴはそのトラックをもとに、新たな曲のアイディアを加えたりして、楽曲を完成させたという。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2021/02/05)
そうして完成したアルバム『FIRE IT UP』は間違いなく、傑作と呼べる仕上がりとなっている。ヴォーカリストのRoger C Realeをフィーチャーした正統派R&Bナンバー「Fire it Up」から、ファンキーな「Bush Hog」、そして彼の王道サウンドとも呼べそうな「Far Away」まで、本作はスティーヴ・クロッパーのソロ名義の作品でありながら、アルバムに参加しているミュージシャンそれぞれのリズムはグルーヴ、そして音やそれぞれのソロ・パートが互いを引き立てあう、バンド作品でもある。ここにはギタリストとしてだけでなく、プロデューサーとしても長くシーンに関わってきた彼ならではの視点があるのだ。「これはバンド・メンバーが互いに競い合うような作品じゃないんだ・・・他の奴らを引き立てたほうがいい、輝かせたほうがね」実際、アルバム収録曲の「Go Getter Is Gone」について彼は次のように語っている。「(ヴォーカルの)Rogerが歌詞のほとんどを思いついたんだ。俺はリズムやグルーヴを考えたが、こうしたチームワークで曲を作る方がいいと思う」その言葉に、半世紀以上に亘ってシーンで活躍しながらも、自身の名義からなるソロ・アルバムをあまりリリースしてこなかった彼の哲学が見えてくるかもしれない。「バスケのチームが勝つとき、3ポイントシュートを入れた選手が偉いわけじゃない。彼がシュートできるように導いたチームが偉いのさ」
古くからのサウンドに時代を超えたグルーヴを織り交ぜた、キャリア半世紀以上のシーンのベテランでしか出せないいぶし銀のR&Bファンク・サウンド。スティーヴ・クロッパーの『FIRE IT UP』、新たな傑作の予感がする作品だ。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2021/02/05)
スタックスやMG'sでの活躍から忌野清志郎との交流に至るまで、レジェンドと呼ぶに相応しい79歳の御大ギタリストから久々のソロ名義作が到着。今回も盟友フェリックス・キャヴァリエが参加し、彼と共作した2008年と2010年のアルバムの続きともいえる、ヴィンテージでスワンプな痛快リズム&ブルースが満載だ。荒めな歌唱はご愛嬌として、派手さはないのに胸が弾んだり心に染みる粋なギター・フレーズの数々こそ伝説の証。しびれます。
bounce (C)池谷瑛子
タワーレコード(vol.450(2021年5月25日発行号)掲載)