フォーマット |
SACDハイブリッド |
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構成数 |
3 |
国内/輸入 |
国内 |
パッケージ仕様 |
- |
発売日 |
2022年04月27日 |
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規格品番 |
OVEP00017 |
レーベル |
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SKU |
4526977320171 |
※タワーレコード限定販売
※SACDハイブリッド盤
※世界初SACD化(DISC1,2)
※限定700セット。マルチケース仕様
※シリアル・ナンバー・シール付(シリアル・ナンバーは、ケースの裏側に貼付しておりますため外から見えず、お選びいただくことはできません。ランダムでのお渡しとなります。ご了承ください)
※2022年最新マスタリング音源使用。(マスタリング・エンジニア:江崎友淑氏)
※盤印刷面:緑色仕様
※オリジナルマスターから起因するノイズ等がございますが、ご了承ください。
※解説書:板倉重雄(新規序文解説)、ヘルムート・ドイチュ氏(鮫島有美子氏訳)、浅里公三氏、若林駿介氏他による初出時解説を再録、解説書合計24ページ
ウィーン・フィルのコンサートマスターとして、多くの名指揮者たちの信頼と敬愛を集めたゲアハルト・ヘッツェルが遺した最後のセッション、3作品を集成。
ヘルムート・ドイチュ氏、浅里公三氏、若林駿介氏他による初出時解説を再録し最新復刻。
今回の復刻のために新規で江崎友淑氏がマスタリング。シリアル・ナンバー付700セット限定盤!
ゲアハルト・ヘッツェルは、名門ウィーン・フィルのコンサートマスターとして、多くの名指揮者たちの信頼と敬愛を集め、20年以上もの長きに渡りその座を務めました。ここに収録の3枚は、そのヘッツェルが遺した最後のセッションです。91年暮の室内楽2作品、翌92年、亡くなる半年前のブラームスのソナタ。どれも円熟期のヘッツェルが遺した、夕映えのように格調高い畢生の記録です。板倉重雄の新原稿、旧盤すべての解説を再収録SACDハイブリッド盤、2022年江崎友淑による新マスタリング、緑色レーベル仕様などファン必携のセットです。
1992年7月29日、ウィーン・フィルの名コンサートマスター、ゲルハルト・ヘッツェルがザルツブルク近郊のサンクト・ギルゲンで登山中に転落、全身打撲で死去した、というニュースほど、当時の音楽愛好家に衝撃を与えたものはありませんでした。ヘッツェルは1940年4月24日生れで、当時52歳。まさにその芸術が完熟期を迎え、名門オケのコンサートマスターとして、室内楽奏者として、ソリストとして、ますますの活躍が約束されていたからです。音楽家として本能的に手をかばったため頭部と足を強打した、という話もいっそうファンの悲しみを募らせました。この3枚組には、1971年以来、ウィーン室内合奏団のリーダーとして数多くの名盤を録音してきた最後の録音群の2枚、及びソリストとして最後の1枚を集成しました。ここには、先に述べた「完熟期」のヘッツェルの姿が刻み込まれています。
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中でも、モーツァルトのクラリネット五重奏曲が「ウィーンの室内楽」の伝統継承と維持・発展を強く印象づけられる演奏となっています。この曲にはウラッハ&ウィーン・コンツェルトハウスによる1951年ウエストミンスター・レーベルへの名盤がありますが、ヘッツェルは、ウラッハの弟子のプリンツとともに同曲を1979年に録音しています。この録音の両端楽章は、その伝統を継承してウラッハ並みにテンポがゆったりと演奏されていましたが、中間楽章が速めのテンポで演奏されたことで、緩急のコントラストの強い演奏となっていました。当セットでの録音は両端楽章のテンポをやや速め、中間楽章のテンポを抑えたために、楽章間のテンポのコントラストが弱められ、より自然な流れを獲得しています。同時に、ウラッハの歴史的名盤と、フレージングやイントネーションの描き方は瓜二つであるものの、ポルタメントやルバートの使用を控えたことで、「ウィーンの室内楽」の伝統を受け継ぎつつも、録音当時年の聴衆の美意識によりマッチした演奏へと昇華させることに成功しています。
一方、唯一のヴァイオリン・ソナタ録音となったブラームスは、ヘッツェルが「どうやら一人前に皆さんに聴かせられる音楽ができるようになってきたようだ」と語ったように、自らの芸術が「完熟期」に入ったことを自覚し、満を持してこの録音に臨み、ピアノのドイチュとともに誠心誠意ブラームスに尽くし、6日間もかけて完成させたものです。追悼盤のようにリリースされたこの録音が大きな話題を呼び、聴衆、批評家双方から絶賛されたことは、彼のこうした姿勢が正しかったことの証明でもありました。
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今回の解説書は、序文に新規序文解説を、さらに各初出時の解説を掲載しました。音質にも留意し、オリジナルのレコーディングのプロデューサーを務めたオクタヴィア・レコードの代表である江崎友淑氏の手で今回の発売のために新規でマスタリングを行いました。シリアル・ナンバー・シール付の700セット限定でリリースいたします。
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構成数 | 3枚
エディション | Remaster
<DISC1>
1. ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
2. ヨハネス・ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115
<DISC2>
3. カール・マリア・フォン・ウェーバー:クラリネット五重奏曲 変ロ長調 作品34
4. フランソワ・ドヴィエンヌ:ファゴット四重奏曲 ハ長調 作品73-1
5. ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:ファゴットとチェロのためのソナタ 変ロ長調 K.292 (196c)
<DISC3>
6. ヨハネス・ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 作品78 「雨の歌」
7. ヨハネス・ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品100
8. ヨハネス・ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 作品108
【演奏者】
ウィーン室内合奏団
ゲアハルト・ヘッツェル(第1ヴァイオリン)[DISC 1&2],(ヴァイオリン)[DISC 3]
ジョゼフ・ヘル(第2ヴァイオリン)[DISC 1&2]
ハット・バイエルレ(ヴィオラ)[DISC 1&2]、
アダルベルト・スコチッチ(チェロ)[DISC 1&2]
ノルベルト・トイブル(クラリネット)[DISC 1&2]
ミヒャエル・ヴェルバ(ファゴット)[DISC 2]
ヘルムート・ドイチュ(ピアノ)[DISC 3]
【録音】
1991年12月15 -19日
ウィーン ショッテン教会にて収録(DISC 1&2)
1992年1月23 -28日
ウィーン カジノ・ツェーゲルニッツにて収録(DISC 3)
【Original Recordings】
Executive Producer: Hiroshi Hirai
Producer, Recording Director:Tomoyoshi Ezaki
Assistant Director:Keiji Shimizu
Recording Engineer:Yukio Kojima (DISC1&2), Robert de Godzinsky (DISC3)
Special thanks to YAMAHA MUSIC, Austria
Supervisor:Shunske Wakabayashi (DISC3)
【マスタリング・エンジニア】
江崎友淑(Tomoyoshi Ezaki)
【原盤】
キャニオンクラシックス
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1.[SACDハイブリッド]
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2.[SACDハイブリッド]
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3.[SACDハイブリッド]
ブラームスのヴァイオリンソナタはきちんと弾かれた立派な演奏ではあるけれど、ヘッツェルの音に良識や節度といったものが強くにじみ出ていて、それが表現の踏み込みの物足りなさに繋がっていると私は思う。錚々たる大指揮者たちのタクトの下であれだけ全力で音楽に突っ込んでいったヘッツェルが、自らを主役としたときにこれほど慎しみ深い演奏になってしまうあたり、良くも悪くも彼が稀代の「コンサートマスター」だったということなのかもしれない。正直なところ私はこのブラームスのソナタではヴァイオリンよりもピアノにより強く惹かれる。美しい音で存分に歌い切った、素晴らしいピアノだ。
このディスクの一番の聴きものはなんと言ってもトイブルのクラリネットだろう。モーツァルトとブラームスの五重奏は絶品だ。トイブルはウィーンフィルの伝統そのもののふくよかな音色と伸びやかな節回しで二人の天才作曲家の晩年の絶唱を歌い切る。ここではヘッツェルも水を得た魚のように自在に歌ってトイブルや他のメンバーとともに素晴らしい音楽を作り上げる。これこそがウィーン・スタイルの醍醐味だ。この二曲のクラリネット五重奏曲の名演は、プリンツやウラッハの録音と並んでずっと聴き続けることになるだろう。