ムーティと伝統オケとの競演!優秀録音盤
現代指揮者界のカリスマ、来日頻度も高く人気のある巨匠リッカルド・ムーティ若き日の名演!80歳を超えたムーティが30代後半にフィラデルフィア管弦楽団と録音した名演・名録音である名曲「春の祭典」「展覧会の絵」はクラシックユーザー以外にも広くオススメしたい必聴盤。オーケストラ演奏の模範となるレベルの高さに加え、豪快さも兼ね備えたまさに理想的な演奏!
タワーレコード(2024/09/06)
フィラデルフィア管弦楽団の黄金時代を引き継いだ垂涎の録音!密度感の高いムーティと伝統オケとの競演。アナログ録音末期の優秀録音!新規で本国オリジナル・アナログ・マスターテープより復刻。新規解説付。世界初SACD化
これら2曲はムーティがオーマンディの後を継いでフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督に就任する以前の1978年の録音ですが、既に名人集団を統制しつつもムーティらしい濃厚な音楽に溢れた極上の名演が聴き取れます。旧EMIによるアナログ末期の録音は今回の高音質化により一層引き立てられました。まさにオーマンディ時代を継承する黄金サウンドであり、演奏・録音共に最上の音色に仕上がっています。超優秀録音盤を世界初SACD化。今回の発売のために本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル化したマスターを用い、SACD層、CD層別々にマスタリング。新規解説付。永久保存盤です。
「春の祭典」と「展覧会の絵」はフィラデルフィア管弦楽団の首席指揮者に就任する以前の1978年3月と10月の録音です(首席指揮者を務めてすぐ後の1980年には音楽監督に就任)。「展覧会の絵」が両者にとって初めての録音となりました(カップリングは「火の鳥」組曲。今回は未収録)。オーマンディがムーティの才能にほれ込んだと伝わっていますが、この演奏を聴くとその凄さが実感できます。冒頭のプロムナードから金管陣の太く厚いフィラデルフィア・サウンドが奏でられ、木管群や各ソロ楽器の上手さを経て、僅かに高揚しながら全開で終わる、この演奏はまさにオーケストラ演奏のひとつの完成形でしょう。最初からオケを掌握し特色を前面に出し成功を収めることがどれほど困難であるか、とりわけ昨今の様々な録音を聴くとわかります。「春の祭典」においては重厚さと色彩感が際立ち、驚異的です。アナログ収録の最終期となる録音状態もさらに良好となり、この曲の真価が発揮された名盤と言えるのではないでしょうか。しかしながらCDではここまでとは思いませんでした。元々のマスターの状態にも左右されるとは言え、今回のSACD化ではダイナミックレンジも拡がり、セパレーションの向上や音像の実在感も増していることから、詳細が如実にわかります。従来より感動が深くなったと感じられるのではないでしょうか。マスターテープに本来残されていた潜在能力を最新の技術で引き出す必要性と理由を、あらためて認識させてくれる音源です。
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タワーレコード(2023/03/03)
今回の復刻ではこれまでの当企画と同様、本国のアナログ・マスターテープに遡って最新の復刻を行っており、192kHz/24bitでの高音質音源を採用しています。それにより、従来以上の緻密さと表現の幅の拡大、音場の向上が感じられると思います。マスターテープのコンディションも良好でした。もちろんマスタリング・エンジニアの腕も重要な要素であることは変わりありません。その意味では、今回の復刻は決定稿を目標としました。従来あった、マスターテープの依存度が大きくバランス面で多少偏りを感じさせる音源やメリハリを強調したものではなく、マスターテープを基準としながらも現代の高解像度な機器にも順応した、音楽的な見地に立ったマスター作りを目指しています。高音質化を行うための最大限のプロセスを施しました。それにより、これらの貴重な遺産が多くの方に聴かれること、そして更なる評価に繋がることを期待します。
このシリーズでは、SACD層では伸びのある高域と柔らかなニュアンスと共に高い解像度と豊かな音場を、CD層はまとまったしっかりとした音と共に押し出される実在感ある音色を目指しています。CD自体のポテンシャルも高く、むしろ両方の良さを堪能できるSACDハイブリッド盤としてもお楽しみください。尚、解説書には木幡 一誠氏による新規文章を掲載しました。今回のDefinition Series第53弾は、2タイトルを発売いたします。
<音源復刻コンセプト>
当企画では、本国より取り寄せた192kHz/24bitのWAVデータを基本に、SACD層用としてDSDに変換後にマスタリングを行い、別途CD層用としてPCMでもマスタリングを施していますので、SACD層、CD層、それぞれ独立したマスタリングとなっています。PCMで編集した後にDSDにも変換を行う、もしくはDSDで編集した後にPCMにも変換を行うといった1回のマスタリング作業で兼ねるのではなく、SACD、CD、それぞれの特徴や音質を重視した上で、個別にマスタリングを行いました。その際、過去に発売された音源と極力比較する検証も行なった上で、音楽を最大限に生かすべく、オリジナルのアナログ・マスターテープを尊重した上での最適なマスタリングを心がけています。
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タワーレコード(2023/03/03)
「展覧会の絵」はムーティがフィラデルフィア管弦楽団と初めて録音を行った記念碑的な音源であり、最初から両者の相性の良さが伺える名演。オケの低力がわかる非常にパワフルな演奏で、後のPHILIPS盤と比較してテンションの高さも特徴的。「春の祭典」はムーティ唯一の録音で、ここで見せる躍動感と巧みさの見事な融合は、これぞ一流オケと言える完成度の高い演奏だ。この曲の名盤のひとつとして、本来はもっと評価されて然るべき。また、かつての名プレイヤーとオーマンディ後のフィラデルフィア管弦楽団を担っていく名手との競演も聴きどころ。音質向上も著しい。
intoxicate (C)北村晋
タワーレコード(vol.163(2023年4月20日発行号)掲載)
ハルサイを最後まで聴き続けるのは辛かったが、これは例外。
名盤特集には挙げられることは少ないが、ハルサイが苦手な人にこそ勧めたい。