危険で退廃的な「毒」を持つ最も危険なロック・バンド、アヴェンジド・セヴンフォールドが帰ってきた――。
アルベール・カミュの代表作でもある『異邦人』にインスパイアされた実存的危機と不条理主義に根差した詞世界とヘヴィな音的深みと広がりを堪能できる壮大な傑作『LIFE IS BUT A DREAM・・・』がここに誕生。アヴェンジド・セヴンフォールドの世界観に没入せよ――!
危険で退廃的な「毒」を持つ最も危険なロック・バンド、アヴェンジド・セヴンフォールド。1999年に結成し、2001年と2003年にインディ・レーベルよりアルバムを発表、コア・マーケットを中心に絶大な人気を博し、その後Warner Bros.へと移籍、それまでのファン・ベースをとてつもない速度で拡大させながらより大きな舞台に勝負を仕掛け、世界中に「新世代メタル・バンド」の代表格としてその名を轟かせる彼ら。2009年12月には、ドラマーのザ・レヴが亡くなるという悲劇が彼らを襲うが、その困難を乗り越え、ドラマーとして元ドリーム・シアターのマイク・ポートノイのヘルプを借りて制作された2010年発表の『NIGHTMARE』と2013年発表の『HAIL TO THE KING』は見事2作連続で全米チャート1位を獲得、その後レーベルを移籍し2016年に全世界サプライズ・リリースされた最新作『THE STAGE』でも全米4位を記録、圧倒的な存在感を放つ重要ハード・ロック・アクトだ。
その彼らが長年の沈黙を破り、待望の新作アルバムを引っ提げ、シーンに帰還する。2020年『HAIL TO THE KING』時代のスタジオ・セッションからの未発表曲「Set Me Free」を発表し、その頃から新作アルバムの制作に入っているという話が伝わってきていたが、実に約7年振りとなるスタジオ・アルバムが姿を現す時が遂に来たようだ。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2023/03/17)
アルバムのタイトルは『LIFE IS BUT A DREAM・・・』。間違いなくアヴェンジド・セヴンフォールドにとってジャンルの境界を超えた不朽の名作になるであろう本作は、その音楽的な広がりと奥行きをフルに堪能し、実感するためにはアルバム全体として聞かれるべき作品である。4年という長い時間をかけて制作され、バンドにとって最も大胆な挑戦とも呼べるこのアルバムのプロデュースを手掛けるのは、Joe Barresiとアヴェンジド・セヴンフォールド。またミックスはAndy Wallaceが担当している。アルバムのインスピレーションとなっているのは、アルベール・カミュの代表作でもある『異邦人』。作品全体を通して実存的危機を探求し、その意味と目的、さらには死の不安が絶えず付きまとう中で人間の存在意義や価値を探る極めてパーソナルなテーマに触れたアルバムでもある。
『LIFE IS BUT A DREAM・・・』からの先行トラックとなるのは「Nobody」。重厚なサウンドにスリリングなギター・リフが畳み掛けるドラマティックな展開の壮大なヘヴィ・トラックは、アルバムの世界観を伝えるストップモーション・アニメーションのミュージック・ビデオと共にアヴェンジド・セヴンフォールドの帰還を飾るにふさわしい1曲だ。骸骨をモチーフにした作品を数多く制作しているロサンゼルスのアーティスト、Wes Langによるアルバム・アートワークもまた彼らの世界観を伝えるのに大きな役割を果たしている。
世界一危険なバンドの大胆でスリリングな帰還。新たなるアヴェンジド・セヴンフォールド体験に没入せよ――。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2023/03/17)
The long-gestating follow-up to 2016s ambitious concept album Stage, Life Is But a Dream... sees Avenged Sevenfold go further down the rabbit hole with an innovative set of progressive metal epics rooted in existential crisis. Inspired by the bands dalliances with hallucinogens and the writings of French philosopher Albert Camus, the LP covers a wide swath of sonic terra firma, from punishing thrash and hardcore to operatic, Pink Floyd-esque space rock peppered with Daft Punk-inspired vocoders and lush orchestral flourishes.
Rovi
正統派メタル、プログレ、クラシック、フュージョン、エレクトロなど多種多彩なエッセンスを縦横無尽にアレンジするセンスに脱帽である。前作に続いてジョー・バレシとの共同プロデュースで挑んだ8枚目のアルバムは、人間の存在意義と死への恐怖をテーマに据え、制作に約4年を費やした力作となった。まさに細部まで練られた重層的な音色で迫り、さらにジェットコースター級の曲展開で聴き手をねじ伏せていく。凄いのはツギハギにならず、一つのストーリー性をもって聴く者に壮大な景観を魅せてくれる点だ。とりわけ、ボーダレスにバンドの可能性を押し広げた中盤以降の流れには驚きを禁じ得ない。
bounce (C)荒金良介
タワーレコード(vol.475(2023年6月25日発行号)掲載)