ベテランコンテンポラリージャズギタリスト布川俊樹の4年ぶり24枚めのリーダーアルバムは6年ぶりのライブアルバムとなった。コロナ時代になって、活動の縮小を余儀なくされた布川は、自己の音楽のやり方を見つめ直し、積極的に才能溢れる若者ミュージシャンと共演しバンド活動を始めた。じっくりと3年間アイディアを温めてできた新バンドは、ジャズギターの歴史に欠かせないギター&オルガンでのトリオ。西川直人(org)、関根豊明(ds)という3世代に渡るメンバーがバンドのサウンドの多様性を作り出している。本作のコンセプトは、65歳になった布川が、いままでの音楽人生で最も影響を受けたレジェンドプレイヤーにトリビュートする楽曲を揃えたことだ。だから、収録曲8曲のサウンドはオーセンティックなスイング、ファンクジャズ、ブルース、ロックバラッドなど多岐に渡っている。新曲やかつてのオリジナル曲、カバー曲、どれもが新たな布川バンドのサウンドになっている。これこそが、「現在の布川俊樹のジャズサウンド」である。また、布川のホームグラウンドVirtuoso赤坂でのライブ録音サウンドは実にライブの熱気を伝えるみずみずしいサウンド。ウォームなギターサウンドも実に心地よい。布川の新たな挑戦がこのアルバムによって始まったと言ってよいだろう。
発売・販売元 提供資料(2023/10/11)
ギタリスト布川俊樹の4年ぶりのリーダー・アルバムであり、6年ぶりのライヴ・アルバム。1958年生まれの布川に対し、1979年生まれのオルガン奏者西川直人と1996年生まれのドラマー関根豊明という世代の異なる3人編成のオルガン・トリオでのパフォーマンス。布川のオリジナルを中心とした楽曲構成で、各曲、自身がいままでのジャズ人生で強く影響を受けたレジェンドプレイヤーにトリビュートした内容になっている。ウェイン・ショーター、パット・メセニー、ジョン・スコフィールド、ハービー・ハンコックなどに加え、ジェフ・ベックや大谷翔平などなど。エネルギッシュで熱い演奏がはじける。
intoxicate (C)馬場雅之
タワーレコード(vol.167(2023年12月10日発行号)掲載)