原曲に匹敵する温もり、そして愛らしさを加味したミシシッピ・ジョン・ハート最高カヴァーは必聴で!アイルランドから現れたアメリカン・プリミティブ・ギターっ娘 デビュー作
アイルランド・ドニゴール州バリーボフェイを拠点とする若きブルース / ラグタイム / ルーツ / フォーク・シンガー / ギタリスト、MUIREANN BRADLEYのデビューアルバム! 幼少期より父親の影響から古いブルースに親しみ、ギターを嗜んだという彼女。自身の演奏している動画をYOUTUBEに投稿したところ話題となり、JOSH ROSENTHALに見いだされTOMPKINS SQUAREからデビューしたという今後、要注目の若きシンガー / ギタリスト。
とにかくMISSISSIPPI JOHN HURT名曲"RICHLAND WOMAN BLUES"カヴァーを要チェック!原曲に匹敵する温もりとを感じさせるアコースティック・ギターに愛らしいヴォーカルがシナジーを生み出した絶品カヴァーとなっています。全トラックがスタジオでのライブ・レコーディングで、そのほとんどがファースト・テイクかセカンド・テイク。更にはオーバーダブや現代的なレコーディング・トリックを一切使わずに制作されたというピュアな魅力に満ちたデビュー作となっています。
「これは私のファースト・アルバム。収録曲のほとんどは1920年代~1930年代にかけて、場合によっては1970年代初頭までレコードをリリースしていた偉大なブルース・マンやブルース・ウーマンたちによってレコーディングされたもの。私はドニゴール州のバリーボフェイという町の郊外のフィン川の渓谷を見下ろす丘陵地帯で、こうした古いブルースに浸りながら育ったの。父は家でも車でも何処へ行くにも常に音楽をかけ、聴いている人がいようといまいと延々とこの音楽について語り続けていた。まるで伝説や神話や、夕方のニュースの様にミュージシャンたちの人生について語ったの。私が幼い頃、父がギターを弾いているのを見て、「私もあんなふうに弾けるようになりたい」と思ったのを覚えているわ。」ミューリアン・ブラッドリー 2023年5月
発売・販売元 提供資料(2023/11/15)
カントリー・ブルースのうら若き妖精がアイルランドから現れた。ルーツ音楽好きにはお馴染みのトンプキンス・スクエアが推すこのニューカマー、ミシシッピ・ジョン・ハートやブラインド・ブレイクらの持ち歌を達者なフィンガー・ピッキングを駆使して弾き語る明朗溌溂な姿はやたら魅力的で、エリザベス・コットンの"Freight Train"でみせるラヴリーさなんかもグー。幼い頃より戦前ブルースやラグタイムの魔法に魅せられ、ギターがマブダチな日々を送る17歳の超渋青春白書。こっちのジャンルに馴染みがなさそうな彼女の同世代にも響くポイントが多々見つかるアルバムだと思う。
bounce (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.482(2024年1月25日発行号)掲載)