ムラヴィンスキー生誕120年記念第2回発売。JVCデジタルK2HD SACD化企画第2弾!ゴステレラジオ収録の貴重なライヴ音源を最新マスタリングで初SACD化!得意なワーグナーが轟く、驚くべき豪演!1曲を除き良質なステレオ録音。「タンホイザー」のリハ付。ビクター保有のデジタル・マスターよりK2HDマスタリングを用いて最新でSACD化!
ムラヴィンスキー円熟の境地をSACDで再現!レニングラード放送局のテープ倉庫深く眠っていたムラヴィンスキーの専属エンジニア、シュガル氏秘蔵のマスター・テープから製品化が行われたのが1989年。'60年代から最後の収録記録となった1984年のショスタコーヴィチの第12番まで、それまで出ていなかった音源が突如発売され、リスナーに大きな衝撃を与えました。これらの音源はデジタルでしか保管されていませんでしたが、この機会に、マスター音源を使用してFLAIR Mastering works山崎和重によりビクターが誇るK2の技術を用いて最新でアップコンバート&マスタリングを行い、遂に初のSACDとしてリリースします。
第2回発売では前回のベートーヴェンとモーツァルトの交響曲集3枚組に続き、いよいよムラヴィン芸術の主軸であるチャイコフスキーの交響曲2曲他(NCS88023/4)とワーグナーを取り上げます。ワーグナーはムラヴィンスキーが重要視していた作曲家のひとりであり、メロディアにも複数音源が残されています。このライヴ録音集では比較的晩年の1978年3月31日の3曲が特に出色であり、良質なステレオ録音で残されていたことは奇跡に近いと言えるでしょう。従来までの各レーベルの録音バランスでは金管が突出した印象がありましたが、今回の最新復刻では弦楽器主体のかつての伝統的なヨーロッパ・スタイルを彷彿させます。弦楽器を各楽器のバランスや音色を統一した上で紡いでいく様は大きく感動を覚えますが、ステレオで残されている田園やブラームスの交響曲第2番にも共通すると思われます。また、「タンホイザー」序曲は最晩年である1982年ということでも価値が高いでしょう。この曲に限らず、ムラヴィンスキーの精緻な表現に驚かされますが、実演ではこれらに加え、極限までのダイナミックレンジの広さにも驚嘆したに違いありません。残された録音では時代的な制限もありその点では及ばないのは残念とは言え、録音状態の良い音源から推測することは十分できます。今回、最新のマスタリングにおいてはマスターを重視しながら音楽的要素を従来以上に残すべく、細心の注意を払い復刻を行いました。この機会に、高音質化により少しでも往時のムラヴィンスキーの神髄に近づいた最良の音源を残したいと考えた次第です。
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タワーレコード(2023/11/02)
尚、録音データ上では5曲目の「ローエングリン」の第1幕への前奏曲は1973年3月11日のステレオ収録となっており、同第3幕への前奏曲も同日でモノラル収録となっていることから、恐らく5曲目の録音日は間違っていると思われます(収録エンジニアも別)。ただしこのデータはビクターの初出盤から同様となっており、海外の別レーベルも同じであるため供給元からの由来と思われますので、今回はそれに従いました。そして最後に収録の「タンホイザー」序曲のリハーサルは特に貴重な音源です。元々は特典盤として市販されていなかったもので、同時に「マイスタージンガー」のリハーサルと「ムラヴィンスキー、人生と自然を語る」もカップリングされていましたが、今回の復刻では収録時間の関係でこれらは第3回発売のショスタコーヴィチ他に収録してあります。合わせてお楽しみください。
ビクター保有のゴシテレラジオ提供のマスターは、元々デジタルでのみ残されていました。そのため、今回のSACD化にあたっては2022年にフェドセーエフの一連の復刻の際に行ったビクターの「K2」テクノロジー(K2HD)を用い、最新でマスタリングを行った上でSACDハイブリッド盤として新規で復刻します。尚、ビクターでは市販盤として一度リマスター盤を発売していますが、今回の最新復刻では元のマスターに遡り、あらためて取り込みを行った上でマスタリングを行いました。「K2」の技術を使い、いくつか比較の上でCDマスターを192kHz/24bitにアップコンバートすることで原音の追求を図っています。SACD層だけでなくCD層でもその差を感じることができます。
尚、解説書には初出時の解説や曲目解説、各種写真(モノクロ)を掲載し、新規で来日時にムラヴィンスキーの演奏も実演で接した平林直哉氏による序文解説を収録しました。資料としての価値も高いです。また、ジャケットには初出時のデザインを、一部文字等を変更の上で使用しています。
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タワーレコード(2023/11/02)
<K2HDマスタリングとは>
「原音を追求したK2HDマスタリング」
「K2」テクノロジー(K2HD)では、失われた音楽情報を解析することで、それぞれに異なる倍音成分を持つ各楽器ごとの音色の復元や、演奏者の音楽表現の再現までを可能にしています。本作のマスタリングでは、当時のディレクターとレコーディングエンジニア立合いの元、「K2」の技術を使い、CDマスターを192kHz/24bitにアップコンバートすることで原音の追求を図りました。SACD層だけでなくCD層でもその差を感じていただけるものと思います。
■「K2」とは
日本ビクターとビクタースタジオが共同開発した音源デジタル化における高音質化情報処理技術です。
■「K2」の理念
「元の状態に戻す・復元する」「変質させない・オリジナルのまま」、この2つの指針に基づき、「アーティストの拘りの音をオリジナルのままに再現する」これが「K2」の理念です。
■22.05kHz以上の復元(失われた情報の復元)
音は多くの倍音により構成されており、その倍音はデジタル化で失われてしまいます。 「K2」は、失われた音楽情報を時間軸で解析し、デジタルマスターで失われた再生周波数22.05kHz以上の周波数を再現することにより、各楽器ごとの倍音の音色や、演奏者の表現を復元し、オリジナルマスターと同等の音楽表現を再現しています。
■本作独自のマスタリング
本作は、K2HDによりCDマスターを192kHz/24bitにアップコンバートし原音の追求を図りました。周波数領域ではなく時間軸で処理をする「K2」だからこそ実現可能な技術です。
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タワーレコード(2023/11/02)