ともに2016年、ふたつの国際コンクール(モントリオール国際コンクール/フランツ・リスト国際コンクール)で第一位を獲得した若きヴィルトゥオーゾ、辻彩奈と阪田知樹。2020年からデュオとして全国各地で公演を行い、表情豊かで鮮度の高いデュオを聴かせてきた。深化著しい二人が触発し合って生み出す音楽は、各方面より熱狂的な称賛をもって迎えられた。自由闊達でイマジネイティヴな音楽を紡ぎだす辻、作曲や編曲でも頭角を現す阪田……ともに若くして唯一無二の音楽性を発揮してきたふたりの音楽家が、折に触れて取り上げてきたブラームスの3つのヴァイオリンとピアノのためのソナタをセッション・レコーディング。「雨の歌」の副題を持つ第1番、ロマンティックで愛らしい明るさを持つ第2番、愁いを帯びた激しさを持つ第3番を、俊英二人がフレッシュに歌い上げる。 ふたりの公演でアンコールとしてしばしば演奏され、問い合わせも多いパラディスの「シチリアーノ」も収録。 (C)RS
JMD(2024/06/13)
世界に羽ばたく俊英ふたりが奏でる鮮烈なブラームス
ともに2016年、ふたつの国際コンクール(モントリオール国際コンクール/フランツ・リスト国際コンクール)で第一位を獲得した若きヴィルトゥオーゾ、辻彩奈と阪田知樹。2020年からデュオとして全国各地で公演を行い、表情豊かで鮮度の高いデュオを聴かせてきた。深化著しい二人が触発し合って生み出す音楽は、各方面より熱狂的な称賛をもって迎えられた。自由闊達でイマジネイティヴな音楽を紡ぎだす辻、作曲や編曲でも頭角を現す阪田……ともに若くして唯一無二の音楽性を発揮してきたふたりの音楽家が、折に触れて取り上げてきたブラームスの3つのヴァイオリンとピアノのためのソナタをセッション・レコーディング。「雨の歌」の副題を持つ第1番、ロマンティックで愛らしい明るさを持つ第2番、愁いを帯びた激しさを持つ第3番を、俊英二人がフレッシュに歌い上げる。
ふたりの公演でアンコールとしてしばしば演奏され、問い合わせも多いパラディスの「シチリアーノ」も収録。
ソニー・ミュージック
発売・販売元 提供資料(2024/06/11)
華々しい経歴を得てさらに、たゆまぬ鍛錬と磨き抜いた実践を聴衆に披露してきた二人の若き「表現者」が練り上げる驚くべきブラームス。作品の深底に降り立ち入念に重ねた音楽的対話、その豊かな共感と沈着ぶりがソナタ3曲でみずみずしく開示された。楽想にゆらめく情感、噛んで含めるように真摯にコントロールされた語り口は、耳に親しい旋律の宝庫である各番号での主題の扱いから即座に窺える。第3番第2楽章で辻彩奈が紡ぐ美しい重音の連なりはことのほか忘れがたい。辻の音楽的充実がまさしく集中的に顕れた一枚であり、繊細精密な筆致で奥行きを音楽にもたらす阪田知樹のピアノに魅了される一枚である。
intoxicate (C)森山慶方
タワーレコード(vol.170(2024年6月20日発行号)掲載)